【松下幸之助の経営問答】

第1回 指導者の要件
数々の講演後に受けた質問に対して、松下幸之助が真摯に答えた貴重な問答の記録。経営者たちの切実な悩みに、松下幸之助が経営の真髄を語りかけます。


【巻頭インタビュー】

幸之助さんに学んだリーダーシップと人間教育の大切さ
筒井道隆(俳優)
NHK土曜スペシャルドラマ「神様の女房」で、生真面目でちょっと微笑ましい松下幸之助像を演じた演技派俳優・筒井道隆。不惑の年になった今、みずからのキャリアをふり返って感じているリーダーシップと人間教育の大切さを、かねてから尊敬していた松下幸之助への思いに重ね合わせて語る。


【証言・松下幸之助の世界】

政治家も見習いたい松下さんの「聞き上手」と「決断力」
田原総一朗(ジャーナリスト)
1978年、松下政経塾の構想を発表した松下幸之助に、その真意を探るべく突撃取材をした。ところが、老練な幸之助のペースにはまり、質問者の自分のほうがつい本音を吐露してしまう始末。直接接した幸之助の人物像を熱く語る。


【特集】

スピード改革の極意とは
LECTURE1 essay
サムスン――国難から始まった急速な改革

《付》松下幸之助と李健熙(イ・ゴンヒ)――その驚くべき類似点
吉川良三(サムスン電子元常務)
日本の電機大手8社の営業利益の合計が、韓国サムスン電子1社のそれに及ばない――この差を生み出した考え方や戦略の違いを明瞭に分析。また、李健熙・サムスングループ会長が、実は松下幸之助の理念を学び、愚直に実践してきた可能性も浮かび上がる。

LECTURE2 interview
とにかく行動、ダメなら修正――ハウステンボス“超速”黒字化のワケ

澤田秀雄(ハウステンボス社長、エイチ・アイ・エス会長)
開業以来18年連続赤字だったテーマパークが、社長交代後1年で黒字化した。打診からわずか半年後の社長就任時には“勝ち”を確信していた澤田氏。その理由は何か。経営の何を、どう変えたのか。澤田流“スピード”のコツは。めざす将来像は――。

LECTURE3 report
改革の王道は、「早く」よりも「速く」――長期プランを全速力で
大久保恒夫氏
(セブン&アイ・フードシステムズ社長)の説くスピード再生術

取材・文 本誌編集部
ユニクロ、無印良品、成城石井など名だたる小売業の経営を一気に立て直した「改革請負人」。今度は外食業の経営に乗り出した。業界で“大久保マジック”と言われる改革手法は何なのか。その“種明かし”を披露する。

LECTURE4 report
窮地が会社を鍛える
――絶えざる危機感が改革のバネ
池内計司氏(池内タオル社長)が語る絶体絶命からの復活

取材・文 本誌編集部
欧米のセレブも愛用する上質のタオルを製造販売する会社が四国の今治にある。中国製品に席捲され苦境にあえぐ国内タオル業界にあって、既存のタオルビジネスのモデルを打破し、果敢に攻める注目の経営者から学ぶ。

LECTURE5 essay
イズムに徹してこそスピード改革は成る

吉越浩一郎(吉越事務所代表、トリンプ・インターナショナル・ジャパン元社長)
トリンプ・インターナショナル・ジャパンでかつて19年連続増収増益を達成させ、“社員に残業させない社長”として有名だった吉越浩一郎氏。スピード感あふれる経営風土をつくったからこそ為し得た、その経営手法の本質とは――。


【新連載】

鍵山秀三郎の「ビジネス幸福論」
その1 志だけが頼りになる
鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)
ビジネスは社会のために必要なこと。そして、人生はビジネスによってより光り輝くもの。しかし今、その2つの根本の考え方こそ揺らいでいるのではないか。何のための事業なのか。このビジネスのやり方で人生が生かされるのか? 待望の経営哲学エッセイ。


【好評連載】

小林一三 時代の十歩先が見えた男
第2回 小説家志望が一転して銀行マンに!
北 康利(作家)
就職よりも恋愛が大事!? 恋に恋する文学青年・一三は、せっかくの三井銀行入行もどこ吹く風。花柳界に惹かれつつも、何とか勤め人の生活に馴染んでいく。そんな一三も巨人・中上川彦次郎や、岩下清周といった優れた産業界の人材に次第に感化されていく。


【好評連載】

老舗に学ぶ永続繁盛の秘訣
第2回 長寿には、駅伝経営のおすすめ!
前川洋一郎(老舗学研究会代表、関西外国語大学教授)
事業を永続するには、経営のバトンをいかに上手に引き継ぐかがポイントである。同族が引き継ぐか、専門家経営者が後を継ぐのか。その引継ぎ交代の妙を、ユニークな老舗の事例から説き明かす。


【好評連載】

輝く! 町工場の底力
第2回 工夫と努力でがんばり続ける川口鋳物
橋本久義(政策研究大学院大学教授)
世界に誇る強固な中小企業基盤が日本に確立されたのは、工業会、商工組合などの中小企業の組織が無数につくられ、各企業の孤立化を防ぎ、互いに協力と切磋琢磨をしてきたからである。そんな一つ、川口鋳物工業協同組合にスポットを当てたレポート。


【好評連載】

朝倉千恵子の上司学 仕事ができて愛される《人財》の育て方
第2回 “夢サイクル”を始めよう
朝倉千恵子(新規開拓社長)
「落ちこぼれをつくらない」と決めた小学校教員時代のエピソード。筆者自身の“夢サイクル”はどう結果を生み出したか。そして「新規開拓」という社名にこめた夢実現への思い――現在の筆者の仕事の原点をふり返りつつ、“仕事ができる”人について綴る。


【シリーズ企画】

経営人類学者が斬る! "理念経営"の現場
社員は組織に対して同じ意識をもっているのか?
藤本昌代(同志社大学社会学部教授)
社員教育に力を入れ、組織として大切にしていることを社員と共有すべく努力している企業は多い。しかしその思いは現実にどこまで伝わっているのか。また同じ教育を受けた社員は皆、同じ意識を持っているのか――企業調査から見えてきた実態をレポートする。


【シリーズ企画】

[現地企業取材]ここにイノベーションあり
加賀屋:時代のニーズに合わせて独自の“流儀”を追求し続ける
「第36回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で31年連続総合1位に輝いた能登・和倉温泉の加賀屋の偉業。日本旅館の保守本流のサービスを貫きながら、飽きることのないサービス改善への凄みを現会長の小田禎彦氏が語る。


【シリーズ企画】

一人一業・私の生き方
55歳から始めたスラムへの支援――石原邦子さん
取材・文 本誌編集部
当時ケニアにいた長男に会いに行った55歳の冬、スラムで暮らす人々に「めぐりあってしまった」。以来、計画性もなく芋づる式に進めてきたスラム支援活動に、いつしか使命感が芽生える。明るく屈託なく、人生後半に出会った“使命”に邁進する女性のドキュメント。


【シリーズ企画】

誌上再録 松下幸之助経営塾
企業トップは現場を分かっていなければならない
中野健二郎(京阪神ビルディング社長、日本総合研究所シニアフェロー)
住友銀行に入行以来、2,000の企業の取引現場を見てきた稀代のバンカーが、規模や業種の違いを問わず言える「経営の本質」を徹底解説。PHP研究所で開催されている社長講座「松下幸之助経営塾」の名講義を再録。


【シリーズ企画】

パナソニック史にみる海外事業経営の極意
文化の「壁」にぶつかりながら浸透していった松下経営理念
――台湾・ブラジル・アメリカ
関淳(パナソニック客員、松下政経塾前塾長)
日本発の松下幸之助の経営理念。これは海外で事業展開する上でどのような工夫と配慮がいるのだろうか。台湾、ブラジル、アメリカで松下の関連会社を経営した関淳氏が、決して容易ではなかった経営理念浸透に苦慮したビジネス経験を語る。


【シリーズ企画】

松下幸之助学術研究――経営史の視点から
松下における事業部制の創設
平本厚(東北大学大学院経済学研究科教授)
日本最初の事業部組織採用の事例の一つといわれ、日本の経営史上、有名な出来事であった1933年の松下電器事業部制創設。エレクトロニクス史の碩学が、丹念にその歴史過程を追い、画期的だった制度創設の経緯や、松下幸之助の動機について新たな解釈を開陳!


【新連載】

感動と発見!「パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館」物語
story1 幸之助みずからが語った歴史館
文 本誌編集部

大阪は京阪電車、西三荘駅。旧本社建物が改築されて日々多くの観光客が訪れる「松下幸之助歴史館」。一代で世界的エレクトロニクス産業を創り上げた松下幸之助の生涯が分かり、ビジネスのヒントが満載の同施設の見方、楽しみ方をご案内!