【松下幸之助の経営問答】

第5回 社員に接する態度
数々の講演後に受けた質問に対して、松下幸之助が真摯に答えた貴重な問答の記録。経営者たちの切実な悩みに、松下が経営の真髄を語りかける。今回の質問は経営者として威厳がどこまで必要かというもの。松下の回答は意外なものだった……。


【特集】

全員経営の凄み
(CLASS1) INTERVIEW
ヤマダ電機、現場に凄みあり
――「改善提案制度」でだれもが経営意識を向上
山田 昇(ヤマダ電機会長兼CEO)
わずか8坪の広さでスタートした町の電器屋さんが、今や2兆円の大企業に成長した。それは、現場での問題を地道に改善し、常に新しい仕組みづくりに邁進した努力の結果。そのヒントを会長みずからが語る。

(CLASS2) REPORT
リカルド・セムラーが創造した“奇跡”の経営
加賀谷貢樹(ジャーナリスト)
ブラジルの機械メーカー、セムコ社。父が創業したこの会社を21歳で譲り受けた青年経営者リカルド・セムラーは、自由で民主的な社風を志し、90人の会社を5,000人の規模にまで成長させた。部下が上司を選ぶという驚きの経営改革をレポート!

(CLASS3) INTERVIEW
リーダーは“自責”の風を吹かせろ
――全員経営を根づかせるために必要な仕組みづくりとは

新 将命(国際ビジネスブレイン社長)
理想の組織をつくるには、まず組織のトップたる人に不可欠な要素がある! シェル石油、日本コカ・コーラ等、大手外資系トップを歴任した経営のプロフェッショナルが、長年の経験から、全員経営を導くことができるリーダーのための鉄則を説く。

(CLASS4) REPORT
みんなで知恵を絞ってムダ撲滅
――日本一コスト競争力ある物流会社になる!
大須賀正孝氏(ハマキョウレックス会長)が徹底する“日々決算”

内海準二
トラック運送業界の勝ち組、ハマキョウレックス(静岡県浜松市、東証一部上場)。労働集約型産業ゆえに、社員を生かし、社員の知恵を集める“全員参加の経営”を長年にわたり実践してきた。「収支日計表」「日替わり班長制度」などを生みだした創業会長の哲学とは。

(CLASS5) INTERVIEW
理念徹底で“全社一丸”の社風に
――目指すは「世界一愛される」企業

金谷 宏(KDP会長)
物流関係業務の人材派遣や請負に強い大阪のKDP。独自の経営理念に基づく全社一丸の経営で業績を伸ばしている。しかし、もともとはそのような経営からほど遠い会社だった。創業者の金谷氏みずから理念志向に変身し、社風を一新した経緯を明かす。

(CLASS6) PHILOSOPHY
松下幸之助が理想とした「全員経営」の姿
――衆知を集め、人材の多様性生かす
本誌編集部
一口に「全員経営」と言っても、その実践方法は多様だ。「衆知を集める全員経営」を唱えていた松下幸之助の場合、実効性を高める要件として、経営者の姿勢や態度、「打てば響く」組織風土、決算のガラス張りなどが不可欠であるとみていた。


【松下幸之助経営塾】


経営者としての私の使命
――石橋信夫創業者から学んだこと

樋口武男(大和ハウス工業会長兼CEO)
垣間見た両親の苦労から、企業家として成功して恩返しを志した青年期。条件のよい会社に就職しながら、みずから働きがいのある会社を選び直した先に、大和ハウス工業創業経営者・石橋信夫との出逢いがあった。稀代の名経営者から伝授された経営者の真髄とは。


【松下幸之助経営塾】


松下幸之助の中長期にわたる理念経営
――「五カ年計画」から学ぶ

川上恒雄(PHP研究所松下理念研究部主席研究員)
1956年1月の松下電器(現パナソニック)の経営方針発表会。当時社長の松下幸之助は、5年で売上4倍という計画をぶち上げた。この計画は周囲を驚かせたが、4年で目標達成。快進撃の背景には、社会的使命の実現を追求する幸之助の愚直なまでの姿勢があった。


【特別インタビュー】

松下幸之助に私淑した商売人生50年
河内誠一(ロマンライフ名誉会長)
京都スイーツの新定番「茶の菓」で知られる洋菓子店「マールブランシュ」を展開するロマンライフ。1951年にわずか10坪の喫茶店を開いて以来、松下幸之助との出会いを支えに無我夢中で商売を続け、同社の礎を築いてきたその半生を赤裸々に語る。


【シリーズ企画】

パナソニック史にみる海外事業経営の極意
地域事情を理解しながら、理念経営をめざす
〈台湾〉

堀 正幸(パナソニック客員)
商売の風習や文化がまったく異なり、台湾特有の民族問題もあって台湾での事業は、手さぐりのスタートであった。四半世紀に及んだ海外事業での経験から、時代が変わっても変わらない経営のコツとは何か、今求められるリーダー像を語る。


【シリーズ企画】

一人一業・私の生き方
“対峙を超えた心”を求め続ける武道の達人

多田 宏さん(合気会本部師範・合気道九段)
大学生だった昭和25年に、合気道の開祖・植芝盛平と、心身統一法の創始者・中村天風に弟子入り。以来60年余を、合気道を核とした心身の鍛錬と、その手法の普及一筋に生きてきた。2人の師から何を学び、どう昇華させてきたか――現代の武道の達人の生き様、哲学と実践を探る。


【シリーズ企画】

経営人類学者が斬る!“理念経営”の現場
韓国一尊敬を集める企業家の卓抜な理念
――製薬会社ユハン

奥野明子(甲南大学経営学部教授)
「韓国で最も尊敬される企業」ランキングで毎年上位に入るユハンは、正直と誠実を経営哲学の中心に据える。経営の実践の中で生き続ける創業者柳一韓(ユ・イルハン)氏の強い信念とは何か。利益を社会に還元する独特のメカニズムなど、ユニークな経営のあり方をレポートする。


【好評連載】

朝倉千恵子の上司学 仕事ができて愛される《人財》の育て方
第6回 逃げるな、怯むな!
朝倉千恵子(新規開拓社長)
元来、ものすごく臆病だった筆者が、多くの顧客と出会い、固い信頼関係を築くことができたのは、「逃げたい」と思ったときに、逃げずに全部立ち向かってきたからだった。なぜ立ち向かえたか。それは……。部下が迷ったとき、逃げ腰になったときに上司がすべきこと、できることを熱く語る。


【好評連載】

鍵山秀三郎の「ビジネス幸福論」
その4 理想的な人生とは
鍵山秀三郎(「日本を美しくする会」相談役)
掃除を通じて「凡時徹底」を示唆し、地に足の着いた経営へと導いてきた、掃除のカリスマによるビジネスの極意。今回は、自分の人生を価値あるものにするために、どのような視点を持つことが大切なのかを語る。


【好評連載】

輝く! 町工場の底力
第6回 “連帯”がキーワード 上尾ものつくり協同組合
橋本久義(政策研究大学院大学教授)
かつて日本の精密加工技術の一大開発拠点であった埼玉県上尾市の企業「東洋時計」が激しい労働争議で倒産したのは昭和24年のことだった。東洋時計の職人たちは独立して得意分野で工場を創業、その後、組合を結成して連帯を強め、上尾の産業を発展させていった――。


【好評連載】

老舗に学ぶ永続繁盛の秘訣
第6回 長寿には、職商人(しょくあきんど)経営のおすすめ!
前川洋一郎(老舗学研究会代表、大阪商業大学大学院特別教授)
日本の産業を支えてきたのは職人と商人。優れた老舗の中にはその両方の要素をそれぞれ大切にしながら、その家業を発展させている。「職人のこだわりの心と商人のもてなしの心を併せ持つ」老舗経営のあり方を考える。


【好評連載】

小林一三 時代の十歩先が見えた男
第6回 不安と夢の交錯する箕有電軌開業
北 康利(作家)
お世話になった人への箕有電軌株譲渡が贈収賄にあたるとされ、投獄の憂き目に遭った一三。経営者として、そのスタートはやはり波瀾があった。しかし、宅地分譲やレジャーランドの開発、宝塚歌劇などの新事業に一三の右脳はフル回転をした。


【好評連載】

感動と発見!「パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館」物語
story5 海外に学んだ幸之助、海を渡る歴史館
「国内志向的な経営者」と見られがちな松下幸之助は、実は創業まもないころから世界に視野を広げ、海外から積極的に経営手法を学んでいた。昭和7年の貿易部設置、戦後まもなくのアメリカ訪問、中国・トウ小平氏※との交流など幸之助の海外とのかかわりの歴史とあわせ、近年海外で高まる幸之助理念の学習熱についてもレポートする。
※「トウ」の本来の表記は漢字ですがWEB表記上の制約から、カタカナにしています。