(CLASS1) INTERVIEW
生き続ける「ヤマトは我なり」のDNA
――“現場重視”が自然な伝播・浸透を後押しする
瀬戸 薫(ヤマトホールディングス会長)
昨年の大震災直後に、各被災地で無償で働いたクロネコヤマトの社員たちの姿が話題になった。彼らを自主的な活動へと動かしたのは、創業者小倉康臣氏、二代目昌男氏以来、脈々と受け継がれる「ヤマトは我なり」のDNAだった――。毎週全国の配送センターで「朝の現場指導」を続けるグループ会長が、社風と理念継承の仕組みの一端を語った。
(CLASS2) REPORT
グローバル企業だからこそアイデンティティを堅固に
――三井物産が全世界の社員に語り伝える創業の精神
加賀谷貢樹(ジャーナリスト)
「人の三井」とよばれてきた三井物産が近年、従来のOJTによる教育にとどまらず、三井家の教えや創業者の益田孝の哲学を見直す教育研修にも力を入れている。ハーバード・ビジネス・スクールも協力している同社の人材教育を徹底リポート。
(CLASS3) INTERVIEW
蓬莱創業者・羅邦強の思いを今に伝える
――2代の社長に仕える補佐役として
田中一昭(蓬莱常務)
大阪土産の定番「551の豚まん」で有名な蓬莱。創業者・羅邦強と現社長辰雄氏に仕え、同社のCMタレントとしても知られる名物常務が、品質にこだわり、社員を大切にする同社の社風や、あえて関東進出をしない創業者以来の経営戦略の真意を熱弁。
(CLASS4) INTERVIEW
「愛情・技術・信頼」を護り続けた120年
――名は体を表す老舗企業の行き方
宮田 玲(渡辺護三堂社長)
大阪に本社を置く製版とデザインの会社、渡辺護三堂の社名には、明治23年の創業以来、一貫して伝えられ、実践の努力が続けられる精神が宿る。中途退社する社員がほとんどいないというこの老舗が大切にする創業精神とは何か、五代目社長が語る。
(CLASS5) PHILOSOPHY
松下幸之助はみずからの理念をいかに伝えようとしていたのか
渡邊祐介(PHP研究所 松下理念研究部長)
創業者とは経営理念の最高の語り部であるはず。若き松下幸之助を事例として、その創業期から、みずから打ち立てた経営理念の浸透について、松下がいかに語り、いかに伝えようと心を砕いたか、努力のあとをふりかえる。
(CLASS6) ESSAY
高橋荒太郎 松下精神の“伝道師”
川上恒雄(PHP研究所 松下理念研究部主席研究員)
松下幸之助の重視した「経営の基本方針」について語るのが口癖で、“ミスター経営理念”とよばれた高橋荒太郎。松下電器の国内関連会社のみならず海外法人までその「経営の基本方針」を根付かせようと努力した人物の“伝道師”ぶりを描く。
(CLASS7) ESSAY
精神財として腹の底に落としこめ
――人類学から考える理念継承のヒント
住原則也(天理大学国際学部教授)
そもそも人間は、いかにして先達の思いや考え方を受け止め、それを行動に結びつけていくのだろうか。企業理念研究の第一人者が、人類学の観点から、創業理念が経営者や従業員に浸透していくメカニズムに迫った。
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