《経営者たちの実践1》
松下幸之助が心がけた 素直な心で自己観照
自分の心をいったん外に出し、その出した心で自分を見直してみる――。これが、松下幸之助の実践した自己観照。しかし、客観的に自分を観察することはむずかしい。それでも、経営者あるいは各界のリーダーであるならば、自己観照は不可欠であるという。
《経営者たちの実践2》
人と文化と古典との出会いが気づきをもたらす
――対話がもたらす自分への「観照」
小林陽太郎(日本アスペン研究所理事長)
早くから富士ゼロックスのみならず、財界の指導者としてリーダーシップを嘱望され、その任を全うしてきた小林陽太郎氏が、長年の経験からの自己修養、そして現在取り組んでいる、古典との対話を通じて自己の成長を期す「日本アスペン研究所」の活動についての思いを語る。
《経営者たちの実践3》
社長は「時代観」構築が仕事
――松井流は「たわ言」からすべてが始まる
松井道夫(松井証券社長)
朝、風呂に入りながら考える。プールで泳ぎながら考える。社長室で考える。帰宅後も、寝る直前まで考え続ける。証券業界に革命を起こした「兜町の異端児」は、実は静かにひたすら考える「瞑想する社長」だった――。そんな松井社長の「頭の習慣」を探る。
《経営者たちの実践4》
内観で自己省察 社員教育に活用
――「行動力研修」との組み合わせで効果も
松井利夫氏(アルプス技研創業者・最高顧問)が体得した心の統制法
4畳半ひと間から事業を起こし、今や従業員2千名を超えるアルプス技研グループを築き上げた松井利夫氏。30年ほど前、経営者として行き詰まったときに出会ったのが内観(「内観」については、本特集・長島美稚子氏へのインタビューに詳述)。以来、その魅力に惹かれ、自分のみならず、社員の人間性向上にも役立てているという。
《経営者たちの実践5》
スティーブ・ジョブズ LSD、果食主義、禅
――iPhoneのシンプルな美は生き方そのものだった
川上恒雄(PHP研究所 主席研究員)
携帯音楽プレーヤー「iPod」、スマートフォン「iPhone」、タブレット端末「iPad」の大ヒットによりアップルの繁栄をもたらした故スティーブ・ジョブズ。その卓越した創造性と美的感覚を育んだとされる、若き日の自己探求の内実と背景に迫る。
《自己観照へのアプローチ1》
中村天風 自己を見つめる哲学 ――「我とは何ぞや」無念無想の境地を感得する
尾身幸次(公益財団法人天風会理事長)
軍事探偵として波瀾万丈の人生を歩みながら、真摯に修行を重ねて大悟した大哲人・中村天風。人間として生を享けた自分を最大限に活かすことに人生の意義があると訴えた天風について、その人となりと、自分を見つめるための手法である心身統一法の極意を、愛弟子が解説。
《自己観照へのアプローチ2》
「技」としての自己観照 ――デカルト、世阿弥、武蔵に学ぶ
齋藤 孝(明治大学文学部教授)
自己観照の考え方や手法は、歴史上の人物からも学ぶことができる。ここでは、碩学・齋藤孝氏が、和洋の哲人の著作を通して、彼らの生き方、己を見つめるまなざしと手法、それらをみずからの体にいかにして「技」として定着させたかをあぶり出す。
《自己観照へのアプローチ3》
1週間でどこまで人間は変われるか ――内観法創始者・吉本伊信の試みとビジネス研修への応用
長島美稚子(北陸内観研修所所長)
自分の内面を調べて、みずからを知る手法――内観法は、創始者・吉本伊信の信仰的努力に端を発した、近年評価も高い心理療法だ。そして今、従来のメンタルヘルスのためのみならず、経営者の自己啓発やビジネス研修にと応用が広がってきている。吉本伊信氏の直弟子が内観の現状と効果を語る。
《自己観照へのアプローチ4》
「欲望」をいかにして削ぎ落とすか
玄侑宗久(作家、福聚寺住職)
日本人は古来、自己観照に相通じる感覚を身につけ、そうした生き方をしてきた――。禅僧として、作家として、そして「東日本大震災復興構想会議」のメンバーとして、数多くのリーダーを含む幅広い交友を持つ玄侑氏の深い人生経験から見えてくる「自己観照の要諦」とは。
|