特集
理念をいかに伝えるか
●日本の食文化を発展させる企業
タカノフーズ
日本の納豆文化を関西から西の地域にまで拡大させた日本一のおかめ納豆のタカノフーズは、企業理念を明文化してから急激に成長した。
●大いなる田舎を目指して
サンクゼール
長野県で主にジャムやワインの製造・販売を行なっているサンクゼール。起業直後、厳しい経営危機に陥ったが、その後、経営理念の一部に『聖書』の精神を採り入れ、お客様の視点に立った商売に徹した。その結果、大きな成長を遂げ、現在に至る。
特別企画
技術開発者の軌跡
限りなき前進 Ever Onward
島精機製作所
ニット製品を編み上げる工業用横編み機を主力とした世界的なメーカー・島精機製作所。この企業を一代で築いた島正博社長は、ハングリー精神が人一倍あり、ものづくりが心底好きだったからこそ、どんな困難をも乗り越え、数々の新開発で成功することができた。
特別企画
ブランドの再構築が再生への鍵
良品計画
「無印良品」を展開する良品計画は、衣類から家具まで生活用品全般を扱う製造小売業。2000年初頭、経営上の危機に遭遇したが、直接数字に結びつく数々の経営改革の断行と、中・長期的な視点でのブランドの再構築とが相俟って、V字回復を遂げた。
好評連載●松下幸之助 初めに思いありき
海外進出の基本理念
松下電器(現パナソニック)では、商品を売る前に松下の経営理念を売るようにしている。それが松下の商売の基本であり、海外事業でも共通なのだと松下幸之助は話していた。
好評連載●経営理念の継承――経営人類学者の視点
TCSジャパン
天理大学国際学部教授 住原則也
インド最大の財閥であるタタ・グループ。そのグループの中核を担うIT企業がTCSであり、TCSジャパンはその日本法人である。TCSジャパンはタタ・グループを支える根本理念「良き考え、良き言葉、良き行い」を継承した経営を遂行している。
好評連載●ものづくりは人づくり
採用される側も企業側も、ともに納得する正社員登用
川相商事、理化工業
ものづくり日本大賞選考委員 奥嶋建城
キャリア育成促進助成金制度という国の新制度をうまく活用できる会社は、会社代表者をはじめとして、社員全員が人を育てようと考えている会社だった。
好評連載●戦後ビジネス書の精神史
P.F.ドラッカー『断絶の時代』
PHP研究所 松下理念研究部 主任研究員 川上恒雄
『断絶の時代』は、副題にある「来たるべき知識社会の構想」を展開した本である。この 本がベストセラーになった背景には、当時の未来学ブームと、ドラッカーが日本人の間で人気が高かったことがある。この本の核心は「知識社会の出現」に関する論考部分だ。
好評連載●先住民族の叡智
ヤップ島の人々
東京大学名誉教授 月尾嘉男
4州により構成されるミクロネシア連邦の西端にあるヤップ島。ここには、石貨、すなわち石造の貨幣が存在する。この貨幣は、製造や運搬の苦労、取引の履歴などを価値としている。このような文化は、現在の異常な仮想経済を再考するうえで重要である。
好評連載●経済の論点
G20での議論――グローバル不均衡
慶應義塾大学経済学部教授 吉野直行
本来のあるべき為替レートから大きくかい離しているような場合には、政府は何らかの政策を打ち出して、為替相場を安定化させる必要がある。
好評連載●ナニワから見た日本の行く末
生活感に欠ける新年度税制
税理士 奥村眞吾
2011年度の新税制は、ほとんどが増税ということになりそうである。案をまとめた税務審議会での富裕層規定などは、余りに生活< td>
●特別記事●
職人の哲学
「木の癖を見よ」――宮大工棟梁 土居宗之輔さんに聞く
経営コンサルタント 池田光
日本最古の企業・金剛組の協力会社である土居組の宮大工棟梁・土居宗之輔氏。大ベテランの土居氏の口癖は「木の癖を見よ」である。時の経過に伴う木の反りの癖を見抜いて適所に使うことで木を生かせるという。
●特別記事●
どうなる!日本の流通業界
早稲田大学教授 野口 智雄
今後の流通業界を考えた場合、低価格戦略をとる流通外資の新規参入が続くことが予想される。また、ネットショッピング市場やモバイル・マーケティング市場が飛躍的に拡大することが予想される。
●特別記事●
挑戦する中堅企業――企画室長の次の一手
M&A案件を検討する
デロイトトーマツコンサルティング 取締役 松下芳生
中堅企業がM&Aを実施するかどうかを見極める手がかりになるような事例(フィクション)を紹介。買収しようとしている相手先がいま儲かっていても、その事業が本質的に新しい事業なのか、多少売り方を変えただけの事業なのか、をよく見て判断する必要がある。