中原淳氏「フィードバック体験セッション」レポート

中原淳氏(立教大学 経営学部 教授)が提唱する人材育成法「フィードバック」をご紹介するため に、PHP 研究所では、人事・教育ご担当者向けの体験セッションを随時開催しています。 ここでは第1回、第2回の様子をご紹介します。

第二回セッション

第1回セッション

人事教育ご責任者100名がご参加

人事教育ご責任者100名がご参加

この日は台風が東京に接近しており、あいにくの悪天候。にもかかわらず 100 名に迫る多くのお客さまが来場され、セッションの開始を今か今かと待ちわびている様子でした。
ご参加者のほとんどが書籍『フィードバック入門』(中原淳著・PHP研究所刊)を持参されていました。中原氏のファンであることはもちろん、人材開発・人材育成にかける熱い思いをお持ちの方が非常に多くいらっしゃった印象です。
さて13時半。セッションの開始です。中原氏の登壇に会場の空気はピリっと一変。ほどよい緊張感のなか、講義がスタートしました。
冒頭、中原氏は「フィードバック文化を日本につくりたいと本気で想っている」と宣言。
その熱い言葉に、会場のみなさんは一気にフィードバックの世界にひきこまれた様子でした。

中原淳氏の講義――いま、なぜ「フィードバック」なのか

中原淳氏の講義――いま、なぜ「フィードバック」なのか

熱い宣言と自己紹介が終わり、本題に移ります。最初の話は、“企業の現場をとりまく部下育成の現状”について。今は、部下育成が難しくなっている時代だと言う中原氏。職場の人材育成機能の低下、管理職の若年化(育成経験不足)、雇用形態などのメンバーの多様化……。現場を取り巻くさまざまな状況を、一つひとつていねいに解説します。また、いま話題の残業問題にも言及。人材育成にあてられる時間が減り、これからの時代はますます人材育成が難しくなると警鐘を鳴らします。

ここまでは、フィードバックを理解し実践するために必要な知識の打ち込みです。学びを深め実践につなげるには、“どうして学ばなければならないのか”“なぜ人材育成にフィードバックなのか”という動機が欠かせません。中原氏は、シンプルながらもポイントを押さえた解説をされ、会場にいる誰一人として取り残されることなく肚落ちした様子でした。

解説とDVD視聴で「フィードバックの中に入る」

そして、いよいよフィードバックの解説です。中原氏風に表現すると、「フィードバックの中に入る」フェーズです。ここでは、中原氏の長年の研究と蓄積された企業研究事例から導き出された解説の内容を簡潔にご紹介します。

概論の解説の次はDVDの視聴です。PHP研究所では、研修プログラム開発と同時に中原氏監修による社員研修DVD『フィードバック入門』を発刊しました。

フィードバックは、ブラックボックス(密室)のなかで行なわれます。したがって、人の例を見て方法を学びづらいものです。そこで参考となるのが再現ドラマ。DVDに収録されている再現ドラマに中原氏の生解説を加え、“フィードバック拒絶ガール”“海千山千の年上部下”の2つのケースについて学びました。

いよいよ「フィードバックロールプレイ」

DVD上映の後は、“フィードバックロールプレイ”です。「フィードバックはフィードバックでしかうまくならない」と言う中原氏がこだわるセッションの目玉プログラムです。

いよいよ「フィードバックロールプレイ」

隣に座っている人とペアを組み、上司役と部下役にわかれます。そして、中原氏が用意したそれぞれの役用のシナリオを読み込み、ロールプレイスタート。ロールプレイは慣れていないとなかなかできないものですが、さすが人事・教育担当者のみなさん。とてもスムーズに実践されていました。なかには、役になりきっている名俳優(?)の方もおり、とても盛り上がっていました。
お互いに上司役・部下役を体験した後は、“フィードバック on フィードバック”です。互いにやってみた感想などを交換します。自分では気がつかなかった話し方の態度や癖、話のロジックを指摘し合い、フィードバックスキルを高めていく重要な時間です。(PHP研究所からの参加者も、下の写真のように真剣に取り組んでいます)

いよいよ「フィードバックロールプレイ」

中原氏と共同開発した研修プログラムにもロールプレイはふんだんに盛り込まれています。
研修をする企業様のニーズにあわせられるように複数のケースを用意していますので、即実践可能なロールプレイになることでしょう。

セッション参加者の感想

さて、ここまでセッションの内容をご紹介してきました。中原氏の解説は、明快でわかりやすいだけでなく、ところどころに笑いもあり、自然と聴き入ってしまいます。あっという間に3時間が過ぎてしまいました。また、講師からの一方的な情報提供ではなく、インタラクティブなセッションで、ご来場いただいたみなさまのアンケートを見ても高評価なものが多く、ご満足いただけているようでした。

【参加者の感想】

・短時間の中でポイントをおさえた解説を聞き、ケーススタディの動画で学び、ロールプレイで体験できた点がよかった。(食品・人材開発グループ部長 社員数 3400名)

・フィードバックは、実際に経験しないとわからない部分が多いと思います。やはり研修のような形で一度体験するほうがいいです。当社の課題として引き続き取り組んでいきたいと思います。(製造業・人事部 社員数 3200名)

・大変勉強になりました。将来的には中級・上級管理職を対象にした研修を考えていますが、まずは DVDと書籍で復習します。(マンション仲介・人材開発部責任者 社員数 350名 )

・とても参考になった。中級・上級管理職を対象にフィードバックの研修を実施したい。(製造業・社長 社員数 400名)

第2回セッション

8月に開催した第1回セッションは、お申し込みが殺到し、多くの方から追加開催のご要望をいただいていました。そこで、「少しでも多くの方にフィードバックの世界を体験していただきたい」と中原氏と打ち合わせを重ね、開催される運びとなったのが第2回セッションです。

“にわかフィードバック”に注意!

“にわかフィードバック”に注意!

中原氏は、きちんとフィードバックを理解し、実践に移せるようになるためには「最低でも1日の研修が必要」と言います。それは、フィードバックが“相手にとって耳の痛いことを通知して立て直すスキル”だからです。
もし、“にわかフィードバック”をしてしまうとどうなるのでしょうか。
“耳の痛いことを通知したはいいけど、立て直すことができない”という事態に陥ってしまいます。そうなると、相手は落ち込んでしまい前向きな気持ちになることはできないでしょう。もちろん、問題行動を改善することもできません。ひどい場合は、フィードバック面談が“パワハラ化”してしまうこともあります。
つまり、表面的な理解だけでフィードバックを実践してしまうと求める効果を手にすることができないのです。冒頭の“最低でも1日”という言葉の意味がおわかりいただけたでしょうか。
その前提を踏まえて、中原氏から今回のセッションの目的が発表されました。

限られた時間ではありましたが、“フィードバックのさわり”を体験して、自社での研修導入の検討材料にしていただきたいと時間を割いて説明がありました。

フィードバック成功には“型”が欠かせない

フィードバック成功には“型”が欠かせない

フィードバックは上司と部下との会話です。そして、上司が自分の思い描くゴール(部下自身が問題行動を改善すること)を目指して会話を進めていきます。したがって、“なんとなく”ではうまくいきません。
そこで大切なのが“基本となる型”です。中原氏は、自身が合気道をしていた経験からこのように表現します。
「どんな武道にも型があるように、フィードバックにも型があります。まずは、その型を覚え、確実に実践できるようになることが重要です」
フィードバックの型は5つのステップにわかれています。一つひとつについての解説がありました。ステップごとにポイントの説明をし、PHP研究所刊のDVDで全体の流れを確認し、“聞いて見て”理解を深めていくことができていたようです。

フィードバック習得のポイントは“ロールプレイ”にあり!

“フィードバック習得のポイントは“ロールプレイ”にあり!

フィードバックの理論を理解したら、いよいよ実践です。とは言え、いきなり部下との面談に臨んでもうまくいかないでしょう。それは、自然と型を体現できるようになっていないからです。頭ではなく体で覚えるようになるまで、型をたたき込むことは武道にかぎらずフィードバックでも重要なことだといえます。
フィードバック習得に欠かせないのが、ロールプレイです。会社の中でよくあるケースを上司と部下のそれぞれのシナリオに落とし込み、模擬フィードバックをします。
隣あるいは前後の席の人とペアを組み、1回目は肩慣らしも兼ねて、シナリオ通りに進めます。そして、上司役と部下役を入れ替えて、同じシナリオで再度ロールプレイです。
2回目は、最初はシナリオ通りに進めますが、途中、中原氏からハードルを上げるお題が出ました。実際のフィードバックでは、部下は思いもよらぬ反論やリアクションをするものです。それをロールプレイにも盛り込み、“リアリティ”を追求した、有意義な時間となりました。
2つのシナリオを、役を入れ替えて合計4回フィードバックをすることで、フィードバックの習得の難しさを体感していただけた様子でした。

あっという間の3時間半。最後に、今後に向けて

ロールプレイが終わって、最後に中原氏からの講評です。
今回のセッションはデモンストレーション的に3時間半という“ミニパック”でフィードバックの世界を体験していただきましたが、本当にフィードバックを職場に根付かせるのであれば、しっかりと練り込まれた研修を導入すること、実践の中でレベルアップしていくことが欠かせません。それは、時間も労力もかかる大変なことです。
しかし、フィードバックにはその苦労が2倍にも3倍にもなって返ってくるだけの効果があります。それは、フィードバックに満ちた職場は、“人が育つ職場”になるからです。日本中の会社が、“人が育つ職場”になれば、正しく力強く仕事人生を送っていける人が増えるはずです。
その想いが伝わったのか、セッション後に記入いただいたアンケートは高い評価をいただいていました。

【参加者の感想】

・観察の重要性、肚をくくって事実を伝える難しさを実感できました。成長につながるフィードバックスキルを習得し、コミュニケーション力の向上を図るため、課長・部長クラスの研修にとりいれることを検討したいです。(小売・経営企画室次長 社員数740名)

・DVDで良い例、悪い例を見ることで、具体的にイメージができました。また、自分のフィードバックの方法を振り返り、より良い方法を考えることができました。各チームの評価をする管理職に、このスキルが必要と感じました。(金融・インストラクター 社員数2,500名)

・同じ現象でも、自分と相手で見え方のずれがあることを前提に話をしていくことがフィードバックのコツだと思いました。耳の痛いことを伝えぬまま過ごしているチームが多く、それでは今以上の組織の成熟はないと考えます。営業実績向上のためのマネジメント力のレベルアップのために、初級・中級管理職研修を検討したいです。(金融・営業推進部 社員数3,000名)

・フィードバックに焦点を当てたセミナーはほかになく、とてもありがたかったです。書籍『フィードバック入門』が肚落ちできました。若手の育成が急務であり、マネージャークラスの育成力強化が課題です。社内でフィードバックする文化がないため、初級・中級管理職の研修を検討したいです。(情報通信業・マネージャー 社員数600名)

最後に中原氏の言葉で締めくくります。
「よきフィードバックの中にあれ!」

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