こころ相談室

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愛想の必要性
 こんにちは。私が悩んでいるのは仕事上の愛想の必要性についてです。会社の数人の女性社員が私のことを愛想がない、気が利かないという理由で嫌っており、冷たくされます。彼女たちは姉御肌で、後輩たちと盛り上がるのが好きなので、近付かない私を疎ましく思うのかもしれません。

 でも、私が不思議なのは他の社員は決して彼女達にへつらう訳ではないのに上手くやっていて、私だけが嫌われるということです。私は愛想振りまく暇があったら仕事をひとつ覚える方が先だと思うし、ハッキリ言って愛想は私の給料のうちに入らないと考えます。

 でも愛想ばかり良くロクに仕事もできない新人が可愛がられるのが解せないです。真面目で道を外さず生きてきた私に、何の悪いことがあるのでしょうか?また、他の同僚は嫌いな人の前でちゃんと笑って話せるのが不思議です。(嫌味ではなくて大人だなあと思います)私は嫌いな人と笑って話すのは自分の気持ちに正直でないような気がして、恥ずかしいというか、混乱してしまいます。皆どうやって気持ちを切り替えているのですか?人付き合いが苦手な私は、他の人がなんなくこなしているのを見ると、自分に落ち度があるのかと悩みます。人付き合いのコツというか、接する時どんなことに気を付ければ良いか教えて下さい。
(30歳、女性、事務職)

回 答
 これは、人付き合いのコツみたいなものの前に、あなたが仕事というものをどのようにとらえているかがポイントだと思いました。

 たとえば、私たちカウンセラーは病院とか学校とかいろんな組織の中で仕事をしていますが、そういうところでうまくやれない人は、自分が専門家であることをことさら強調する人です。自分はこれ(面接)やっていればいいんだ、あなたたちとは違うんだと考えていると、たいがいが周囲とうまくいきません。そうすると自然に疎通も悪くなり、仕事も回ってこなくなることさえあります。

 たとえば、学校のカウンセラーならば、生徒とのカウンセリングをすることが本業としても、それよりも大事なのは先生との関係なんですね。病院ならば、もちろん患者さんとの面接が本業ですが、より大事なのは医師や看護婦や事務の人との関係を良く保っていくことなんですね。

 私にしても、学校とかかわるようになってがんばったのは、校長先生と茶飲み話に興じることでした。相手は校長ですから正直けっこう苦痛なんですが、自分の仕事を遂行するためにはそれが何よりも大事だからです。あるいは病院では受付の人の愚痴を聞いたり相談事に乗ったりもしました。本当は私は「仕事」以外ではそんな話は聞きたくはないのです。しかし、本来の仕事とは言えませんが、その人たちと仲良くすること、信頼や信用を得ることは、本来の仕事をより良くすることになるのです。

 ある頃から、私はそういうことも仕事のうちだと確信するようになりました。たとえば、一般のサラリーマンが付き合いで飲みに行くのも仕事のうちだと言うのも、以前はそうかなあと疑問に思っていましたが、今では疑問に思いません。そういう付き合いは面倒くさいし、得意としているわけではありませんが、それを怠っていることで仕事がうまくやれないとすれば、そのほうがマズいと考えるようになりました。これも大事な仕事だと考えていないうちは、どうしても表面的になりますからそういう付き合いも下手だったと思います。

 ということで、あなたの悩みは、仕事を周辺の人間関係まで延長するものとしてとらえるようになることでいい方向に向かうと思います。そういう人と仲良くなることで、あなたが大事に思っているものが壊れるものでもありません。何しろ仕事なんですから。

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