ただ一人の個性を創るために
発売日
2011年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67666-1

ただ一人の個性を創るために

著者 曽野綾子著 《作家》
主な著作 『老いの才覚』(ベスト新書)
税込価格 607円(本体価格552円)
内容 日本の教育はどこが間違っているのか。なぜ名ばかりの個性尊重がまかり通るのか。善も悪も受け入れ、ありのままを見つめた真の教育論。



 「貧困も病気も動乱も、決して個人を育てる上でマイナスになるとは限らない。平和、豊かさ、いい環境が、必ずしも個人にとって願わしいものともなりえない。個性は自分で創るものだ。どこででも、いかなる環境ででも、その気さえあれば……」。教育改革国民会議などの委員を歴任してきた作家が、「自由と強制」「知育と徳育」「正義と邪悪」といった教育の本質について、思いの丈を綴る。各章の見出しを拾うと、「知識は学校に任せて身につくものではない」「人は教会からも女郎屋からも学ぶ」「うちはうちだ!と言える親」など、きれいごとを並べるだけで子供は育たない、という著者の教育観がうかがえる。また、「若者にタリバンの生活をさせよ!」「アラブ世界で学んだ生きる厳しさ」など、世界中を歩いてきた著者だからこそ指摘できる、日本人の視野の狭さにハッとさせられる。この国の大人たちはどこで間違ってしまったのか。迷える親と教師に指針を与えてくれる好著である。