アベノミクスの危険な罠
発売日
2013年05月23日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-81251-9

アベノミクスの危険な罠
繰り返されるマネーの暴走

著者 北岡孝義著 《明治大学教授》
主な著作 スウェーデンはなぜ強いのか』(PHP研究所)
税込価格 1,430円(本体価格1,300円)
内容 マネーの創出という「打ち出の小槌」で問題解決をはかろうとするアベノミクス。その先に待つ恐ろしいシナリオを実証経済学から解説。



 アベノミクスは今や国民に大きくアピールし、マーケットもそれに反応して円安・株高が続いている。しかし、ちょっと待ってほしい。注目を浴びている「大胆な」金融緩和という政策は、べつに奇手でも妙手でもない。過去、政府が苦しい時に何度もすがってきた手法である。

 政府は財政が苦しくなると、マネー創出という「打ち出の小槌」に手をかける。そのたびに経済は大混乱し、国民は痛い目にあう。古くは江戸時代の小判改鋳によるインフレ、西南戦争後の大インフレ、大正バブル、1974年の大インフレ、そして1980年代後半のバブル。海外では第1次大戦後のドイツのハイパーインフレなどなど。歴史をたどると、マネーというものがいかに誘惑に満ち、また恐ろしいものであるかがわかる。

 本書はこうした歴史を振り返ることで、アベノミクスの持つ構造的な危うさを指摘するとともに、期待先行で膨れつつある日本経済に警鐘を鳴らすものである。