| 解説 |
徒手空拳から松下電器を世界的企業に育て上げた松下幸之助を、立志伝中の人物の一人に数えることに異を唱える者はいないだろう。
本書は、その晩年の二十二年間、直接に経営や人生観・人間観について教えを受け、時に共に思索をしてきた著者が、なぜ松下が成功を収めることができたのか、その行き方・考え方のエッセンスを、六つの法則としてまとめた、いわば「成功への指南書」である。
しかし、その法則には松下だからできた、という特異なものは何一つない。熱意を持つ、感動を与える、小さなことを積み重ねる、責任を自覚する、正しい人間観を持つ……など、至極当たり前のことばかりである。しかし、その当たり前のことを松下がいかに実践してきたか、著者自身の体験を交えたエピソードには「なるほど」とうならせるものがあり、読んでいてあきることがない。成功をつかむには、いくらノウハウ書を読んでも意味がないということを実感させられる一冊である。 |