特攻隊員の命の声が聞こえる
発売日
2001年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57601-5

特攻隊員の命の声が聞こえる
戦争、人生、そしてわが祖国

著者 神坂次郎著 《作家》
主な著作 『縛られた巨人―南方熊楠の生涯―』(新潮社)
税込価格 482円(本体価格438円)
内容 わが命と引きかえに、祖国を守ろうとした特攻隊員たち。短くも凛然たる人生のなかに、生命の尊厳を結晶させた青春群像に捧ぐ鎮魂の書。



 太平洋戦争末期、敵艦に体当たり突撃をして散っていった特別攻撃隊の若者たち。戦時中は世間やマスコミから「生きている軍神」と崇め奉られた彼らは、1945年8月15日を境に「軍国主義の手先」と烙印され、批判の的となった。戦後五十年を過ぎた現在でさえ、特攻に殉じた若者たちの至誠と行動に批判的な言葉を浴びせる風潮は続いている。わが命と引き換えに、祖国を守ろうとした彼らの愛国の思いとは、そして死とはいったい何だったのだろうか。

 戦争という絶望的な境涯の中で命の尊厳を見事に結晶させた特攻隊員たちの無垢な姿は、飽食の時代を生きる現代日本人が忘れつつある、「純粋な心で生きることの大切さ」や「生きる誇り」を強く語りかけてくれる。

 本書は、自らも飛行兵としての体験をもつ著者が、緻密な取材をもとに、特攻隊員たちの真実の姿を当時の貴重な写真とともに紹介しつつ、戦争、人生、祖国についての深い思いを綴った鎮魂の書である。