市民のための裁判入門
発売日
2008年04月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-69861-8

市民のための裁判入門

著者 井上薫著 《弁護士》
主な著作 『司法のしゃべりすぎ』(新潮新書)
税込価格 814円(本体価格740円)
内容 「判例主義は違憲的」など、しくみと問題点を着実に把握できる入門書。日本の司法の悪しき慣行を敢然と指摘してきた弁護士の力作!



 裁判員制度の導入により、一般市民にも裁判の知識が必要な時代になった。しかし、そもそも裁判員制度は憲法違反であると著者は言う。憲法が規定する「法律に基づく裁判の原則」が守られず、基準なき裁判となるからだ。このように、裁判を正しくとらえるには、憲法のような原理原則から、着実な理解を積み上げることが求められる。

 本書は「裁判の意味」「裁判官の独立」「上告と控訴の違い」「民事・刑事裁判の手続き」といった基礎知識から、「蛇足判決」などの現代司法の矛盾点まで、知っておきたい事柄 を網羅し、親しみやすい語り口で解説する。

 著者は元判事(現弁護士)で、司法行政の裁判干渉に抵抗し、裁判官の独立を守り抜いた人物として知られる。その著者が「通常の二、三倍の時間を費やしての執筆となりました」と語る力作。裁判に関わっている人、これから裁判に関わるかもしれない人は必読。