堺――海の都市文明
発売日
2000年01月21日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-60960-7

堺――海の都市文明

著者 角山 榮著 《堺市博物館館長》
主な著作 『茶の世界史』(中公新書)
税込価格 726円(本体価格660円)
内容 かつて「東洋のベニス」と呼ばれ、アジアとヨーロッパの接点として繁栄の頂点を極めた中世の「黄金の都」。その盛衰に何を学ぶか?



 かつて「東洋のベニス」と呼ばれ、中世世界随一の栄華を誇った国際貿易都市・堺。日明貿易や南蛮貿易の交易拠点となることで、アジア世界とヨーロッパ世界を遭遇させ、新たな世界史をつくり出した。

 千利休をはじめとする「茶の湯」文化を生み出すなど高度な文化を持った自治都市・堺。この「黄金の都」はいったいどのような都市だったのか? なぜ突然歴史の表舞台から消えたのか? 堺商人たちの莫大な富はいかにして失われたのか?

 本書は、経済的な繁栄を失い、文化活動も停滞し、最先端の技術を持ちながら衰退の道を辿った堺の「黄金の日々」とその後の運命を描き出す。

 目次より、
●アジア海域の時代と日本 
●どのようにして巨万の富を築いたか 
●金持ち都市の富のゆくえ 
●成熟都市・堺の衰退 
●近代に何が受けつがれたか

 アジアとヨーロッパの接点として栄えた中世の「黄金の都」堺。その盛衰にわれわれは何を学ぶかを考える一冊である。