魂を養う教育 悪から学ぶ教育
発売日
2011年07月27日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-79795-3

魂を養う教育 悪から学ぶ教育

著者 曽野綾子著 《作家》
主な著作 『老いの才覚』(KKベストセラーズ)
税込価格 1,045円(本体価格950円)
内容 世界では非業の死を遂げる子供たちがおり、その悲運は児童虐待や災害のあるわが国も無縁ではない。この世に生きることを教える一冊。



 教育とは「生き延びる訓練」である。著者は東日本大震災の前から、停電など考えなくても済む暮らしが、幸運やたまさかのものでしかないことを伝えてきた。曽野氏は記す。「子供を、常に苦難に耐えるように訓練しておきなさい。長く歩けなければならない。重いものも、或る程度持てなければならない。外で寝ることに抵抗を感じてはいけない。煮炊きは必ずできなければならない。泳ぎも当然必要です」。すなわち教育とは、学問のことではない。文字で教えられる前に身体で感じ、身の周りで起こる不条理や悪を受け止め、なおかつ自由でいられる「魂」を育てる作業である。したがって、嫌なことやつらいこと、苦痛や絶望さえも立派な「教育効果」がある。人生そのものがそうである以上、われわれが苦難を抜きにして教育を語るなど、もってのほかであろう。苦しみをものともせず、「自分の力で生きられる」人がわずかでも増えれば、この国は必ず復活するはずだ。