
『道をひらく』は、松下幸之助が月刊誌『PHP』の裏表紙に連載した随筆を厳選し、1冊にまとめたものです。「素直に生きる」「心配またよし」など、人生への深い洞察をもとに綴った随想は、人々の背中を押し成功の指標となる「座右の書」として、1968年の発刊以来、職業、性別、世代を問わず、多くの方に読み継がれてきました。
自信を失ったとき、困難にぶつかったとき、新しい挑戦のときなど、人生のあらゆる場面で、自分に必要な言葉を選んで読むことができるのも本書の魅力。著者の松下幸之助自身も、『道をひらく』は「誰がつくったものでもない」「古今の衆知が積み重ねられて、そしてああいう言葉がつくられた」と語り、この本を枕元に置き、読みかえすようにしていたといいます。
2014年に500万部を突破して以降、さらにより多くの方に読まれる本になることを願い、裏表でイラストが異なるカバーでの販売を開始。地域や季節、一部書店でのみ販売するオリジナルカバーなど、お客さまに合わせた展開方法で部数を伸ばし続け、2025年現在570万部を超えています。
全国の読者から寄せられた感想文をご紹介します。さまざまな人の暮らしや人生の節目に寄り添い、ともに歩んできました。
今年で仕事を始めて6年目になる私は仕事に喜びを感じられず、転職を考えていました。何をしたいという訳でもなく、ただ別の仕事をすれば何か変わるかも、自分に合う仕事が見つかるかもしれないという気持ちからです。本書を読み私は自分の道を懸命に歩んでいないことに気づきました。なんとなく過ごしている日々の中で、何かしらの喜びが生じることを待っていました。もう少し、自分に与えられたこの道を歩んでみようと思います。(鈴木菜月さん・東京都)
私は家庭の事情で、15歳で社会に出て42年が経った。仕事の傍ら定時制高校、大学夜間部で学び念願の数学教師になった。二足わらじの生活は、とてもきつかった。様々な人生の壁が目の前に立ちはだかったとき、本書のペ-ジを開く。解決のヒントを見つけることができるとほっとする。松下幸之助氏の笑顔が、目の前に現れ「きみ、がんばりたまえ」と微笑んでくれる気がする。(中村吉朗さん・千葉県)
この本を読んで、私の一番印象に残った話は「絶対の確信」です。自信を持って進んだ道でも間違えることもあります。この世に「絶対の確信なんてない」と書かれていて、だからこそいろいろと悩んだり、苦しんだりすることも当然なのだと少しホッとしました。私も自分に与えられた課題に決断力がないのでたくさん悩みます。これからは、一番良い道を歩めるようによく考え、少しの勇気を持って着実に前に進んでいきたいです。(金子峰々さん・三重県)
今年8月還暦を迎え、定年退職をした。迷った時、悩んだ時に常に心の拠り所としてきた。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。――私は、このくだりが大好きだ。精進してけっして言い訳をしない。そこに、責任と喜びを感じて生きてきた。今静かに振り返ると確実に自分の道が見える。そして、これからもずっと一歩一歩休まずに新しい道を歩もうと思う。(上野利晴さん・大阪府)