乙女の絵画案内
発売日
2014年03月14日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-81799-6

乙女の絵画案内
「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる

著者 和田彩花著 《「スマイレージ(現・アンジュルム)」リーダー》
税込価格 1,012円(本体価格920円)
内容 「かわいい」に注目すれば、名画の見方がわかる! 人気アイドルグループ「スマイレージ」の和田彩花が、ひと味違う美術論を展開する。



 女性アイドルによる、女性アイコンを巡る、魅惑的な旅の書。――作家 村上 龍

 人気アイドルグループ「スマイレージ」のリーダーが、ひそかに話題となっている独特な絵画の見方について、本書ではじめて本格的に語ります。

 ボッティチェリが描いた女神、ベラスケスが愛した王女、フェルメールによる謎めいた女性、印象派の画家たちが表現したパリの乙女たち……おなじみの名画も、そこに描かれた「乙女」に注目すると見方が変わってきます。

 【本書で取り上げる20の名画】

 マネ《鉄道》/ ベラスケス《ラス・メニーナス》/ ドガ《ダンス教室》/ カサット《青いひじかけ椅子に座る少女》/ ボッティチェリ《春(プリマヴェーラ)》/《麻布著色吉祥天像》/ ルブラン《バラをもつマリー・アントワネット》/ フラゴナール《ぶらんこ》/ レンブラント《夜警》/ フェルメール《手紙を書く女》/ アングル《泉》/ クリムト《接吻》/ ミュシャ《四芸術》/ スーラ《グランド・ジャット島の日曜日の午後》/ モネ《舟遊び》/ ルノワール《陽光のなかの裸婦》/ モリゾ《ソファーに座る二人の姉妹》/ 菱川師宣《見返り美人図》/ 黒田清輝《湖畔》/ 小林かいち《二号街の女》

 すべてに女性が描かれています。その姿やしぐさ、色や筆づかい、構図……そうしたものを、まずはむずかしく考えずに「かわいい」という素直な視点で観ると、絵画は別の顔を見せるのです。

 すると、好奇心はどんどん広がっていきます。敬遠しがちな美術史もいつのまにか身についていき、ますます絵画を観る視点が深まっていきます。

 「絵に興味はあるけれど、どのように観ればいいかわからない」「美術史なんて堅苦しい」――そう思っている人にこそぜひ読んでほしい。絵を前にして想像力がたくましくなり、キャンバスから物語がどんどん浮かんでくる、すてきな体験ができるはずです。

 「マネは私に、一生の宝物をプレゼントしてくれました」ふとしたきっかけで美術館を訪れたことで、人生が変わった、と語る彼女の、若いからこそ素直で優しい名画へのまなざしにぜひふれてほしい。

 もしかしたら、あなたも美術館で人生が変わるかもしれません。

 2010年4月、東京・丸の内の三菱一号館美術館の開館記念展『マネとモダン・パリ』 が開かれたときのこと。1人の少女がウェブの記事に「私が絵画に興味をもつきっかけとなった人、それがマネです!」と率直に書いてくれました。それが、私が和田彩花さんを知ることになったきっかけです。その後、彼女は美術史を学び、今回素晴らしい本を上梓しました。優しく自然な感性と柔軟で闊達な思考。柔らかな語り口の文章を、ときにクレヴァーで鋭い目配りが引き立てています。美術との付き合い方はいろいろあるけれど、こんなふうに自分自身が愉しみながら伸びやかに話してくれる人がいると、それだけでとても嬉しくなってしまいます。――三菱一号館美術館館長 高橋明也