死線を越えて
発売日
2009年04月06日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-70801-0

復刻版
死線を越えて

著者 賀川豊彦著 《作家、社会運動家》
主な著作 『一粒の麦』(今吹出版社)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 賀川豊彦が神戸のスラム街で貧しい人達とともに過ごした経験をもとに描かれた大作。2009年はスラムに移住してから百年を迎える年。



 神戸の貧民街に住みつつ伝道と救貧活動を展開した賀川豊彦。国内では生活協同組合運動をはじめ、さまざまな社会改革運動の先駆者として活躍した賀川だが、平和運動など国際的な活動の評価も高く、1955年と59年にはノーベル平和賞候補にも推薦されている。

 『死線を越えて』はそんな賀川の前半生を投影した自伝的な小説。1920年に出版され、大正期最大のベストセラーになった。上中下の三巻仕立てになっていたが、上巻だけでも200版を重ね、ほぼ100万部が売れたといわれる。

 昨年は小林多喜二の『蟹工船』の復刻がブームとなったが、『蟹工船』が発表される9年前に『死線を越えて』はすでに世に出ていた。当時の社会状況と今日の日本の姿が重なって映るのではないか。

 2009年は、賀川が神戸のスラム街に移住してから100年を迎え、「献身100年」の記念事業が東京や神戸、幼少時代を過ごした徳島などで予定されている。