娯楽都市・江戸の誘惑
発売日
2009年07月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-70984-0

娯楽都市・江戸の誘惑

著者 安藤優一郎著 《歴史学者、文学博士》
主な著作 『幕末下級武士のリストラ戦記』(文春新書)
税込価格 770円(本体価格700円)
内容 浅草の歌舞伎、両国の相撲興行をはじめ、寄席や宝くじにあたる「富突」など、江戸には娯楽芸能が溢れていた。その興行戦争の舞台裏を明かす。



 芝居、相撲、寄席、見世物、花見、寺社の開帳、富突、大食い・大酒呑み大会――天下泰平の江戸の町では、毎日どこかでイベントが催されていた。浅草、吉原、両国、木挽町だけでなく、大江戸八百八町には刺激的な娯楽空間が満ち溢れていたのである。人々は寸暇を惜しんで遊びに出かけ、現代の宝くじにあたる富突の当せん番号発表会場にも足を運んでいた。こうして江戸っ子たちが遊びに費やした金が莫大な経済効果をもたらし、町を活性化させていたのである。

 本書は、江戸の経済を動かしたのは大商人ではなく、意外にも庶民であることを炙り出している。歓楽街で花開いた娯楽産業が、飲食業や出版業とのコラボレーションで、巨大ビジネスへと発展していくさまは、現代を彷彿とさせる。

 また江戸にはビジネスチャンスが山ほどころがっており、それを利用してのし上がっていく人物もいた。娯楽という切り口から知られざる江戸経済の実態に迫った新しい試みの書。