血の伯爵夫人 エリザベート・バートリ
発売日
2004年08月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66238-1

血の伯爵夫人 エリザベート・バートリ

著者 桐生操著 《作家》
主な著作 王妃マルグリット・ド・ヴァロア』(PHP研究所)
税込価格 607円(本体価格552円)
内容 若い娘の血は、永遠の若さと美貌の秘薬!――六百余人の娘を虐殺した“血塗れ伯爵夫人”の、呪われた宿命と凄惨な生涯を描く伝奇物語。



 16世紀末のハンガリー。“血塗れ伯爵夫人”エリザベート・バートリは、六百余人の乙女を猟奇的な方法で殺害し、己の美貌と若さを守るため、その血を浴びた……。暗黒の中世ヨーロッパを震撼させた彼女は、何ゆえに凶行にはしり、神なき救いなき世界に身を殉じたのか?

 本書は『本当は恐ろしいグリム童話』で知られる著者が、希少な文献をもとに緻密な筆致で描きあげた傑作評伝である。

 「……人々は決して知らないだろう。娘たちを鞭打ちながら、エリザベートが誰よりも血を流し、誰よりも声高く内部で哭き叫んでいたことを。犯され奪われ殺されていく娘たちを、いかに激しく羨んだか」。己の美貌や若さを失うまいと必死にあがくエリザベートの心の荒廃が、独自の視点でとらえられており興味深い。虚しい結婚生活、夫の死と悪魔の目覚め、戦慄の娘狩り、陶酔と引き換えの破滅、幽閉の果ての孤独な死……歴史の暗闇に堕ちた女の凄惨な生涯を追った渾身の一冊!