頁数/仕様
168ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版
2015年11月
在庫
在庫あり

なんだかうまくいかないのは女性の発達障害かもしれません

片づけられない、子育てや人づきあいが苦手など、家事も仕事も「なんだかうまくいかない」のは発達障害が原因かも。「女性の発達障害」を知り、自分らしさを活かす方法を紹介しています。
著者(肩書) 星野仁彦《心療内科医》
主な著作 『発達障害に気づかない大人たち』(祥伝社新書)
税込価格 1,296円 (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 168ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版 2015年11月

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私の外来診察には、200人以上の大人の女性の発達障害のある方が治療に来られています。私は初診時に「星野式 根掘り葉掘り法」で、その方の生い立ちや家族関係、幼い頃からどんなことに困ってきたか、そして、今、どんな問題があるのかなどを、2時間くらいかけてじっくり伺うようにしています。それは、今、表立って見える問題(例えば、うつ病や依存症、摂食障害など)の背景に、発達障害の症状が隠れている可能性があるからです。それを見つけるには、5分や10分の診察ではとても無理で、幼い頃からのエピソードの数々や親子関係、時には遺伝因子を探るために、祖父母や親戚関係などのお話もじっくりと伺います。

そうやって、根掘り葉掘り話を聞くうちに、大人の発達障害の中でも、女性ならではの大変さや困りごとが多いことがわかってきました。
まず、女性の場合、子どもの頃から、発達障害があることを気づいてもらいにくいという問題があります。なぜ、気づいてもらえないのかは本編で詳しく述べますが、子どもの頃は親に、就職してからは職場に、そして、結婚してからは夫にと、周囲の誰にも発達障害があることに気づいてもらえず、周りのサポートを受けられずに苦しんでいるケースがとても多いのです。
もちろん、本人もまさか自分に発達障害があるとは、つゆほども思っていないことが多いため、忘れものが多いとか、片づけられないとか、人間関係でトラブルが多いなどの困りごとを、すべて自分のせいにして悩んでいることが多いのです。
また一般的に、女性の役割だと思われていることのいろいろが、苦手で困るという面もあります。男性の発達障害のある人ももちろん大変なのですが、彼らは仕事があれば、家のことや子育ては妻に任せた! と逃げ込むことができます。それがいいことだとは言いませんが、そういうことが多いのは事実です。
“イクメン”という言葉も流行りましたが、本当にフィフティー・フィフティーで家事や育児を分担している家庭は、ほとんどないのが現状ではないでしょうか。夫はやっているつもりでも、妻が夫を立てているだけのこと。「家事を手伝ってくれてありがとう」と言われて、夫はやっている気になっているだけというケースもあります(そもそも、いちいち感謝されないとやらないのか? と言いたくもなりますよね)。
どうしても女性に負担がかかる家事や子育て、ご近所づきあい、そして介護などのさまざまは、発達障害のある女性たちにとって、ハードルが高いことばかりです。それらを、なんとかがんばってこなしたいけれど、こなしきれずにどんどん溜まってストレスが鬱積。追い打ちをかけるように、親や夫から「何でできないんだ?」「もっと、しっかりしろ!」と怒られる……、これでは気持ちも滅入りますよね。
そうなのです。女性の発達障害は、周囲の理解を得られにくいがために、ストレスが蓄積され、うつ病やアルコール依存、買い物依存などの精神的な病気にかかるなどの、二次障害につながるケースがとても多いのです。

今回、本書を執筆したのは、女性にも発達障害があること、それが見逃されやすい特徴があること、周囲の理解を得られず、生きづらさを感じる女性がたくさんいることなどを、みなさんに知ってほしかったからです。
自分の脳にはアンバランスな部分があるということを自ら認め、正しい診断を受けて、投薬やカウンセリングなどの適切な治療を受けることはもちろん大切なのですが、それより何より、周囲に理解者が一人でも増えることが大切です。周りの理解がないと、生きづらさはいつまでも消えません。
いきなりこの国の社会全体を変えることは難しいですが、まずは身近な親や夫、友人、同僚などのうち、一人でもいいから「よき理解者」になってもらえると、ずいぶんと心が救われることと思います。
いろいろなことがなんだかうまくいかず、「私って、もしかして発達障害かも?」と思う女性ご本人はもちろん、子どもや妻に対して「もしかして?」と思う家族の方、そして、友人や同僚の様子が気になるという方、そんなみなさんに、この本を読んでいただきたいと思っています。

周りのサポートを得られずに苦しんでいる女性を救いたい――女性にも発達障害はあり、その苦しみは男性よりも深い場合が多いということを、ぜひ、多くの方に知ってほしいと願っています。  (「はじめに」より)

【プロローグ】あなたの心に、こんなモヤモヤはありませんか?
・家事がうまくできません
・片づけができません
・お金や書類の管理ができません
・子育てが苦手です
・夫とうまくいきません
・女性同士の人間関係がうまくいきません
・忘れもの、なくしものをよくします
・時間が守れません
・パート、アルバイト、仕事がうまくいきません
・飲酒や衝動買いがやめられません
・男性との距離感がわかりません
・生理前になるとイライラします
・キレたり、落ち込んだり、パニックになったりします
《コラム》発達アンバランス症候群 

【Part1】あなたの「困った」は、発達障害のせいかもしれません
◆大人の発達障害が発見されにくい3つの理由
・発達障害は子どもだけ?
・専門医が不足している
・多くの誤解と無理解の中で
◆さらに見つかりにくい 女性の発達障害
・女性の発達障害は「のび太型」が多い
◆大人の発達障害の女性が背負うハンディキャップ
・「女性らしい」ことが苦手
・女性には逃げ場がない
◆まずは「受け入れ」「認める」ことから始めましょう
・どうせ自分はダメな人間?
・「よき理解者」をつくりましょう
◆あなたを支えてくれる人は誰ですか?
・理解者の協力が不可欠
・どんなサポーターが必要かを見極める

【Part2】女性の発達障害を知りましょう
◆発達障害は子どもだけのものではありません
・10人に1人はADHD
◆ADHD(注意欠陥・多動性障害)
・ADHDの3つの特徴
・「のび太型」は片づけ、整理整頓が苦手
◆アスペルガー症候群(AS)
・ASの5つの特徴
・特性の現れ方はさまざま
◆心配な合併症
・ADHDの合併症
・「自尊心」を育てることが第一
◆発達障害の要因と治療
・遺伝的な要因
・その他の要因
・まずは本人の受容と周囲の理解
・安心感を手に入れる
◆女性の発達障害の特徴
・私はダメな女?
・性の問題
《コラム》まずは診察を受けてみましょう

【Part3】こんな「困った」どうしたらいい?
◆家事がうまくできません
・「優先順位」「計画的」が苦手
・「やるべきこと」をメモやリストで管理
・スケジュールを見る習慣を身につける
・「だいたい」をめざす
・服薬も一つの方法
◆片づけができません
・場所を決める、時間を決める
・ものを増やさない
・片づけを「外注」する
◆お金や書類の管理ができません
・お金の管理は家族に任せる
・書類はすぐに提出する
・得意なことで恩返し
◆子育てが苦手です
・ストレスを子どもに向けるのはNG
・計画的避難と「アイメッセージ」
・つらいときはまず相談
◆夫とうまくいきません
・まさか発達障害だったなんて!
・夫婦で役割分担
・お互いのよいところを見つめ直す
◆女性同士の人間関係がうまくいきません
・言いたいこともグッと我慢
・無理をしない
・自助グループに参加してみる
◆忘れもの、なくしものをよくします
・自分の記憶に頼らない
・忘れない工夫あれこれ
・習慣は第二の天性になる
◆時間が守れません
・タイムスケジュールで徹底管理
・時間を守り、期限を守ることは信頼関係の基本
◆パート、アルバイト、仕事がうまくいきません
・自分にぴったりの適職を探す
・おすすめの仕事はコレ
◆飲酒や衝動買いがやめられません
・依存症の三つのパターン
・健康的な趣味を見つける
◆男性との距離感がわかりません
・周りの声に耳を傾けて
・あなた自身の「いいところ探し」
・もっと自分を大切に
◆生理前になるとイライラします
・女性ホルモンの影響
・女性は心を病みやすい
・和食中心の食生活に
◆キレたり、落ち込んだり、パニックになったりします
・イライラにイエローカード
・ストレスを溜め込まない

【Part4】年代別に気をつけておきたいこと あなたと子どもの“これから”のために
◆幼児期~学童期
◆思春期~青年期
◆成人期
◆子育て期
◆更年期
◆老年期
◆あなたの生きづらさを、少しでも解消するために