[ 老舗人形店を経営する兄弟の葛藤と奮闘を描いた家族&お仕事小説 ]
人形姫
内容のサマリー
かつては人形の町として賑わっていた鐘撞市だが、昨今は日本人形の売れ行きは振るわない。老舗の日本人形店「森岡人形」でも同様で、父親が亡くなり急遽、社長を継いだ恭平は、5代目としてのプレッシャー、次々に辞めていく新人たち、腕は良いが酒浸りで横暴な職人、そして弟・慎次との関係など、さまざまな悩みを抱えていた。そんな中、慎次が立ち上げたフィギュア事業部でバイトをする若い女性・溝口が、日本人形をつくりたいと恭平に訴えてきて……。日本人形とフィギュアをめぐる、兄弟の葛藤と奮闘を描く長編小説。(イラスト:丸紅茜)
著者:山本幸久
1966年、東京都生まれ。中央大学卒。編集プロダクション勤務などを経て、2003年に『笑う招き猫』で第16回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。主な作品に『ある日、アヒルバス』『誰がために鐘を鳴らす』『ふたりみち』『ジンリキシャングリラ』などがある。