日本人の本能
発売日
1998年10月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57202-4

日本人の本能
歴史の「刷り込み」について

著者 渡部昇一著 《上智大学教授》
主な著作 逆説の時代(PHP文庫)』(PHP研究所)
税込価格 649円(本体価格590円)
内容 歴史によって刷り込まれた、物事に対する日本人の“根本的な感じ方”とは何か。日本人の意識構造を問う力作評論集、待望の文庫化。



 本書は、日本人のアイデンティティを支えてきた意識構造や、謝罪・不戦決議、戦後補償をめぐる言論界への批判、宗教、税金、官僚などについての評論を集めたものだが、興味深いのは、それらがすべて口述された作品ばかりであるという点だ。 この点について渡部自身、資料が完備され、アクセスも容易になった時代だからこそ「どう考えるか」が重要であり、そのためにあえて「自分の頭の中にあることしか語らない」ことにこだわったのだという。収録作品は、「日本人と民族的『刷り込み』」をはじめ、日本人の品格を再生させるためには、正当なる“武士の伝統の再認識が必要”とする「品格とは何か」、ほかに「謝罪・不戦決議を許さない理由」「夫婦別姓論議と伝統」「税金を払っている理由」など、15本。2年前に刊行された単行本の文庫化だが、いずれも今日的な問題であり、主題によっては現在のほうが、かえって切実になっているものがあるのが面白い。