児玉源太郎
発売日
1999年10月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57322-9

児玉源太郎
神謀と奇略の大軍師

著者 中村 晃著 《作家》
主な著作 直江兼続』(PHP研究所)
税込価格 713円(本体価格648円)
内容 縦横無尽の軍略でロシア陸軍を打ち破り、“海の東郷”とならび称される名将・児玉源太郎。その生涯を鮮烈に描き上げる、力作伝記小説。



 新興国家・明治日本が、その存亡を賭けて戦った「日露戦争」。国力において、両国の差は歴然。面積において50倍、人口では3倍、常備軍も5倍……すべての面で優るロシアとの戦いは、“敗れて当然、勝つのは奇跡”とまで言われ、日本にとってはまさに、乾坤一擲の大勝負であった。その陸戦における参謀本部の頭脳として、“奇跡実現の演出”を行なったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。 源太郎は、日露戦争の直前まで、内務大臣で台湾総督の要職にいた。それが、対露戦が避けがたいと知ると、その職をなげうって、参謀本部次長の職についた。これはあきらかに“降格”である。しかし彼は、それを意に介さなかった。彼の脳裏にあるのは、対露戦の戦略・戦術ばかりだった。やがて、満州軍総参課長として出陣した彼の作戦は、鴨緑江渡河、旅順攻撃、遼陽会戦、奉天会戦などで、次々と功を奏して行く。“天啓とも言うべき智謀”と称された生涯を鮮烈に描く。