半ズボンをはいた播磨屋
発売日
2000年12月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57483-7

半ズボンをはいた播磨屋

著者 中村吉右衛門著 《歌舞伎役者》
主な著作 『物語り』(マガジンハウス)
税込価格 649円(本体価格590円)
内容 人気歌舞伎役者・中村吉右衛門が、幼少の頃から二代目を襲名するまでの半生と、芝居と日常を通しての様々な思いを人情味豊かに綴る。



 人気歌舞伎役者・中村吉右衛門氏の処女エッセイ集の文庫化である。

 本書は三部構成となっている。まずは表題となった「半ズボンをはいた播磨屋」。やんちゃ坊主でひねくれ坊主だった辰次郎少年。ややもすれば役者への道を踏み外してしまいそうだったこの播磨屋御曹司を、肉親同様に厳しく、そして懐深く育ててくれたのは「ばあや」であった。本編は、二十二歳で二代目・吉右衛門を襲名するまでの思い出を、ばあやへのレクイエムとして綴ったものである。初代の思い出、初舞台のこと、ロカビリーに憧れた頃、大学受験、そしてばあやとの死別……、著者の半生が人情味豊かに語られる。

 第二部の「役者の素顔」は、初詣に始まる吉右衛門家の一年間の生活模様が、また第三部の「芝居のなかの歴史風景」では、「鬼平」や歌舞伎の演目を通じて、著者の歴史に対するさまざまな思いが綴られる。

 素顔の歌舞伎役者が、ふだん着のままで物語る、珠玉のエッセイ集。