新選 日本人の忘れもの
発売日
2002年04月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57720-3

新選 日本人の忘れもの

著者 会田雄次著 《元京都大学名誉教授》
主な著作 歴史家の心眼』(PHP研究所)
税込価格 607円(本体価格552円)
内容 文明批評の名著『表の論理・裏の論理』『逆説の論理』『日本人の忘れもの』の3作から、豊さに迷走する現代日本人に贈る極上の叡知。



 日本人が未だかつて経験したことのない、長く深刻な不況。国民の購買意欲は冷え切り、回復の兆しさえ見えてこない。構造改革を旗印に歩み出した小泉内閣の改革はいっこうに進まないどころか、政・官・財の癒着が内閣の足元を脅かしている状態だ。一方、金融機関の不倒神話は完全に崩れ、有名企業が消費者を欺いていたことも明るみになり、国民の不信感は募るばかりだ。日本人は、なぜこのような体たらくを演じる国民になってしまったのだろうか。

 本書に収められている批評の多くは、昭和四十年代後半から五十年代半ばにかけて発表されたものであるが、著者は経済成長優先の反面、「日本的叡知」が失われつつあった時代にやがて現在のような事態が到来することを見事に予測していた。

 物質的には豊かである一方、精神的な貧困により迷走を続ける日本。今こそ著者のいう「日本的叡知」を取り戻すところに、この事態を打開する糸口が見出せるのではないだろうか。