いまどきの思想、ここが問題。
発売日
1998年09月03日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-60203-5

いまどきの思想、ここが問題。

著者 小浜逸郎著 《評論家》
主な著作 この国はなぜ寂しいのか』(PHP研究所)
税込価格 1,572円(本体価格1,429円)
内容 「歴史教科書問題」「援助交際」「ゴーマニズム宣言」「フェミニズム」……。世紀末ニッポンの思想状況と問題点をあぶり出す気鋭の評論集。



 日本人はさまざまな社会問題をどう感じ取り、思想としてどう考えているのか??。本書は、戦後ニッポンの思想的問題点をとりあげた評論集である。 テーマは戦争総括、歴史教科書問題、大江健三郎のノーベル賞問題、オウム、援助交際論、フェミニズム、クローン技術への危機意識など多岐にわたる。 例えば、昨今、物議をかもした「歴史教科書問題」。自虐的な歴史観を超えよ、という風潮の中、著者は、政治イデオロギーの対立として考えること自体が間違いだ、と語る。慰安婦がいた、いないを論じるよりも、戦時に人間は何をするかわからない存在だ、という文学的想像力を育てることが先決ではないのか。 また、大江健三郎ノーベル賞問題とは何か。美談としてでしか報じられなかったことに、この国の批評精神の貧困さを嘆く。マスコミに流布される言説から、一歩引いた視点で捉え直し、自前で考える必要性を説いている。日本人の無邪気な知性を論駁した意欲作である。