初ものがたり
発売日
2001年05月23日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-61644-5

愛蔵版
初ものがたり

著者 宮部みゆき著 《作家》
主な著作 『模倣犯(上・下)』(小学館)
税込価格 1,540円(本体価格1,400円)
内容 本所深川を舞台にした、せつなく妖しい、江戸人情捕物ばなし。季節を彩る「初もの」に事件解決の鍵が。「糸吉の恋」を収録した愛蔵版。



 人気の時代小説『初ものがたり』がNHKの金曜時代劇「茂七の事件簿~ふしぎ草紙」の原作になった。放送は6月29日より(予定)、毎週金曜日の夜9時から10回の予定。この機会に未収録の一編「糸吉の恋」を加え、物語の舞台を地図で紹介するなどしてまとめたのがこの愛蔵版。

 主人公はもちろん、回向院の旦那と言われる岡っ引きの茂七親分だが、テレビでは高橋英樹演ずるこの親分が、本所深川で起こる摩訶不思議な事件に絶妙な推理を働かせ、立ち向かっていく。

 連作短編だが、それぞれの物語に「鰹」「白魚」「柿」など季節を彩る初ものが登場するうえ、深川富岡橋のたもとに夜っぴて開いている稲荷寿司屋台の親父がつくる料理が、また絶品。それだけでなく、この正体不明の親父の一言が、事件解決の手がかりになることもしばしばで目が離せない。

 いま最も話題の現代ミステリー『模倣犯』とはまた一味違う宮部ワールド。切なく、妖しく、心温まる人情捕物話。