王家の城
発売日
2001年07月18日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-61716-9

王家の城

著者 典厩五郎著 《作家》
主な著作 『まほろばの城』(新人物往来社)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 秀吉亡き後、京の地を脅かす家康に対し、京の町衆を統べる本阿弥光悦は自由と平等の独立国を築こうとする。二人の暗闘を描く長編小説。



 豊臣家亡きあと、徳川家の存在を脅かすのは京都朝廷と町衆であることを家康はよく知っている。また、みずからの老齢を痛いほど意識していた。したがって、なんとしても徳川家の屋台骨を固めるべく、あらゆる手段を講じた。

 そして、王城の地・京を平らげんとする家康の魔手は、京の町衆を統べる本阿弥光悦に執拗にそそがれる。だが、光悦は、自由を守る城を築かんと、家光出生の秘密を盾に、果敢に家康に闘いを挑む。

 豊臣対徳川、町衆対家康、さらには幕府の後継争いが絡み、『大坂の陣』前夜の京には、陰謀が大きく渦巻いていた……。

 本書は、現代風にいえば、総合芸術プロデューサーである本阿弥光悦を主人公に、王城の地・京に息づく文化芸術と時の政治権力とのすさまじいまでの葛藤を見事に描き切った歴史エンタテインメント小説である。