「こころ」の養生訓
発売日
2003年12月17日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-63329-9

「こころ」の養生訓
「完璧でない人生」の豊かさ

著者 立元幸治著 《東京工学院大学客員教授》
主な著作 『「こころ」の出家』(ちくま新書)
税込価格 1,320円(本体価格1,200円)
内容 「勝ち組」になることが幸せな生き方なのか? 『養生訓』の著者、貝原益軒の思想を繙きつつ、失われつつある日本人の心の原風景に迫る。



 現在社会を支えてきた価値観である完璧主義や、ひたすら「勝ち組」を目指すような生き方は、結果として何か重要なものを失わせているのではないか。人それぞれが、従容として周囲の人と共生しつつ、余裕ある個性的な生き方を創造して充足した生を構築することこそが、これからの時代を生きるためのキーワードになるのではないか――。

 本書は、私たちが見失っている、真の意味での「充足した生」「豊かさ」という生き方への解答を、『養生訓』の著者である江戸時代の儒家、貝原益軒の作品に求め、今日的な視点で読み解くことで、日本人にとって何がほんとうに必要なのかを考えていく。同時に、この困難な時代に生きる人びとの肉声にも耳を傾けながら、「完璧でない人生の豊かさ」ということについて考察していく。

 「勝ち組」になることだけが幸せな生き方ではない! 貝原益軒の思想をひもときつつ、困難な時代を心楽しく生き抜くヒントを説く一冊である。