「見えない恐怖」におびえるアメリカ人
発売日
2005年07月13日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-64461-5

「見えない恐怖」におびえるアメリカ人
“見せかけの正義”と“病的な愛国心”

著者 矢部武著 《ジャーナリスト》
主な著作 『アメリカ病』(新潮社)
税込価格 1,540円(本体価格1,400円)
内容 “正しさ”と“強さ”への盲信は「見えない恐怖」を社会に生み出す。米国を覆うこの病的な強迫観念の実態を現場取材で明らかにする。



 なぜブッシュは泥沼化するイラク戦争、停滞する経済の責任を問われることなく、再選されたのか。

 実は、「ナンバーワンで、強くて、正しくなければ……」というアメリカ人独特の強迫観念が引き起こす「アメリカ病」のキーワードをもとに2004年の選挙結果を分析してみると、この謎が自然に解けてくる。

 ブッシュ再選の裏には、9.11テロとイラク戦争のトラウマから生まれた、新たな症状ともいうべき見せかけの正義、病的な愛国心、強いリーダー願望、現実逃避などがあったのだ。世界の批判を省みなく、アメリカ第一主義を掲げるブッシュを支持したのは、まさにこの新「アメリカ病」にかかった人たちであった。

 本書では、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」の元記者でアメリカを知り尽くした著者が、強さだけを賞賛し、弱さは絶対認めてはいけないという病的なアメリカ文化、そしてこの新「アメリカ病」をもつ人たちの深層心理をするどく分析する。