村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。
発売日
2006年03月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-64934-4

村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。

著者 佐藤幹夫著 《フリージャーナリスト、批評誌『樹が陣営』主宰》
主な著作 『自閉症裁判』『精神科医を精神分析する』(以上洋泉社)
税込価格 858円(本体価格780円)
内容 村上作品につきまとう三島の影。だれも指摘しなかった村上氏の周到な仕掛けを読み解き、小説家という人種の見えざる葛藤と暗闘に迫る!



 「作家の発言は多かれ少なかれみんな嘘だと思っています」。そう語る本人が25年間ついてきた<嘘>――「日本の小説はほとんど読まなかった」。作品にちりばめられた周到な仕掛けに気づいたとき、村上春樹の壮大な自己演出が見えてきた。

 しかしそれは読者を煙に巻くためだけではない。

 暗闘の末に彼が「完璧な文章と完璧な絶望」を叩き込まれ、ひそかに挑んできた相手はだれか? 夏目漱石、志賀直哉、太宰治、三島由紀夫……。「騙る」ことを宿命づけられた小説家たちの「闘いの文学史」が、新発見とともに明らかになる!

 [小説家という人種]「志賀直哉氏に太宰治氏がかなわなかったのは、太宰氏が志賀文学を理解していたにもかかわらず、志賀氏が、太宰文学を理解しなかったという一事にかかっており、理解したほうが負けなのである」(三島由紀夫)……そんな三島こそ太宰の最大の理解者だったのでは? そして、その三島由紀夫の最大の理解者は?