真実のアドルフ・ヒトラー
発売日
2005年11月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66498-9

20世紀の怪物
真実のアドルフ・ヒトラー

著者 金森誠也著 《日本大学教授》
主な著作 30ポイントで読み解く「ローマ帝国衰亡史」』(PHP研究所)
税込価格 713円(本体価格648円)
内容 20世紀中葉の人類は、なぜヒトラーの台頭を許してしまったのか? その生涯と政治・外交戦略、人生哲学までを新視点で読み直す好著。



 絵描き志望の不遇な一人の青年が、政治活動に身を投じるや、たちまち権力の座へと駆け上がり、20世紀最悪の独裁者として歴史に名を刻んだ――アドルフ・ヒトラーという人物を考えるとき、ユダヤ人大量虐殺に象徴される独善的な思想・政策がいかに形成されたかは大きなテーマの一つだ。本書は、その考察の寄る辺を各種資料に残されたヒトラーの生の発言に求め、多角的に検討を加えた一冊である。

 第1章「ヒトラーの生涯と戦略」で全体像を俯瞰したあと、第2章「対外政策」で周辺諸国への対応を、第3章「人生哲学」でその思想・信条の底流にあるものを探っている。とくに第2章で紹介される日本の松岡洋右外相、大島浩駐独大使との会談は、同盟国日本へのヒトラーの本音が漏れ聞こえて興味深い。

 第4章はヒトラー側近たちの列伝、第5章では後世への影響を論じて、手軽な文庫版ながら“20世紀の怪物”の真の姿を見事にあぶりだしている。

 文庫書き下ろし。