夢はるかなる
発売日
2009年03月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67240-3

夢はるかなる
近代日本の巨人・久原房之助

著者 古川薫著 《作家》
税込価格 943円(本体価格857円)
内容 数々の有力企業を創業し、後に「政界の黒幕」と呼ばれた久原房之助。青年のような魂の熱さを抱き続けた「明治人」の波瀾の生涯を描く。



 日立製作所、日産自動車、ジャパンエナジーの基礎となった久原財閥の総帥・久原房之助。「鉄鋼王」の異名を馳せ、生涯を通じて「ユートピア」建設のロマンを追いかけながら、草創期の日本基幹産業の発展に挺身した屈指の実業家である。

 長州の商家に生まれた房之助は、慶応大学卒業後に貿易会社に就職するものの、ニューヨーク支店への栄転の夢を目前にして断念。経営難に陥っていた一族企業・藤田組の危機を救うべく、鉄鋼業の道を歩み、破竹の大躍進を果たす。

 一代で巨万の富を築きながらも、第一次大戦後の恐慌の煽りで事業難に陥り、政治家へと転身。逓信大臣、立憲政友会総裁を歴任し、日中露の「三国緩衝地帯論」を唱えるなど理想家の片鱗を見せつつ、「政界の黒幕」として近代日本の政治・経済に多大な影響を及ぼした。

 歴史の変革期である激動の明治、大正、昭和を縦横かつ奔放に闊歩した「巨人」の生涯を描く力作長編小説。

 『惑星が行く』を改題。