会津論語
発売日
2013年05月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67982-2

会津論語
武士道の教科書『日新館童子訓』を読む

著者 中村彰彦著 《作家》
主な著作 会津武士道』、『会津のこころ』(PHP研究所)
税込価格 681円(本体価格619円)
内容 『日新館童子訓』は、5代藩主自らが藩校の子弟のために具体的人物の言行から道徳を説いた書。“会津論語”といわれるその神髄を読む。



 幕末の会津藩が、滅びてまで守ろうとした精神とは何か? じつは「会津藩家訓」のほかに、会津藩士の内面に深く浸透していた書物がある。『日新館童子訓』――“会津論語”ともよばれ、「人間のあるべき姿」を具体的な逸話によってやさしく説いた本書は、中興の5代藩主・松平容頌自らが筆をとったもの。ときの名家老・田中玄宰は、その内容に感銘し、若き子弟の「教科書」として藩校教育に採用したのだった。

 会津研究の第一人者たる作家が、達意の筆で『日新館童子訓』を口語訳し、注と解説を施した一冊。儒教を深く修めた容頌らしく、楠木正成の言動や領内庶民の善行までを顕彰し、「忠・孝」の大切さを繰り返し説く。それは、かつての日本人が持ち、現代日本人が喪った「心の美徳」に他ならない。

 昭和初期の最晩年、取材に応じて本書の一節を平然と諳んじた会津女性がいた。新島八重その人である。知られざる名著の神髄が蘇る。

 『武士道の教科書』を改題。