[新装版]小村寿太郎とその時代
発売日
2009年12月21日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-77589-0

[新装版]小村寿太郎とその時代

著者 岡崎久彦著 《外交評論家、NPO法人岡崎研究所所長》
主な著作 『戦略的思考とは何か』(中公新書)
税込価格 1,320円(本体価格1,200円)
内容 日清・日露戦争を経て、列強の仲間入りを果たした日本。興隆期日本の外交を担った小村寿太郎の生涯を、日本近代化の歴史と共に描く。



 日清・日露戦争を乗り切り、列強の仲間入りを果たした激動の時代の日本の外交を担ったのは小村寿太郎であった。

 寡黙、不言実行、一言然諾といった日本の武士の道徳を重んじた小村の愛国心は疑う余地もないが、このような態度は外交においては不利に働くこととなる。世論・新聞といった「情報」の重要性を認識できず、社交を重んじなかったために、日露戦争の講話交渉の際、米国における世論・新聞操作においてウィッテにおくれを取り、交渉をロシア側に有利に進めさせてしまうこととなったのである。

 しかし、私心なく国益を守ることだけを考えて、決して譲らぬ信念を持ち、機会をとらえればただちにその信念を実行に移す度胸を持った小村は、帝国主義時代の日本の国益を守るために、なくてはならぬ人物だったのである。

 愛国の外交官の生涯を通して、世界の一等国を目指し、西欧列強に挑んだ日本の姿を描く。