ありがとうの道(みち)
発売日
2016年05月18日
判 型
A5判上製
ISBN
978-4-569-78551-6

ありがとうの道(みち)

著者 小原麻由美
黒井健絵
主な著作 じいちゃんの森』(PHP研究所)
税込価格 1,210円(本体価格1,100円)
内容 暴風雨で流される1本の桜の大木。いかだになって、ヤマネの兄弟や森の動物たちを助けたあと、命を落としますが……。



 ひだまりの森に、春と秋、1年に2回、花を咲かせるふしぎな桜の木がありました。そこには、ヤマネのきょうだいがすんでいました。ある日、目を覚ますと、外は嵐で大変なことになっていました。ヤマネのすみかである桜の木は倒され、いかだのように流されていきます。

 ふだんなら、皆から怖がられる存在であるオオカミも、ノウサギとともに流れゆく桜のいかだに飛び乗りました。リスやキツネ、アライグマたちも、次々に飛び乗りました。

 嵐が過ぎ去ったあと、そこには息を引き取った桜の木が横たわっていました。桜は、枝を切ってそれを地面に植えれば、新しい木を増やすことができます。森に詳しいキツツキのじっちゃんは、そのことを生き残った動物たちに話し、みんなは枝を地面に植え始めました。桜の子どもの枝は、野原にきれいに植えられて、1本の道のようになりました。ヤマネたちが朝起きたところ、そこには……。

 心があたたかくなるお話。