後白河上皇 「絵巻物」の力で武士に勝った帝
発売日
2012年05月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-80416-3

後白河上皇 「絵巻物」の力で武士に勝った帝

著者 小林泰三著 《デジタル復元師》
主な著作 『日本の国宝、最初はこんな色だった』(光文社新書)
税込価格 990円(本体価格900円)
内容 中世屈指の情報収集能力を誇った”大天狗”後白河。情報の源は何と「絵巻物」と「今様(はやりうた)」!? デジタル復元が謎を解く!



 平清盛、源頼朝など、新興武家棟梁が権力を握りはじめた時代。彼らと互角以上に渡り合った「大天狗」後白河上皇なかりせば、今の天皇制は大きく変容していたかもしれない。武士が後白河を蔑(ないがし)ろにできなかったのは、彼が一風変わった「情報源」を持っていたからだと著者は見る。その情報源とは、絵巻物である。

 『日本の国宝、最初はこんな色だった』(光文社新書)が話題を呼んだデジタル復元師が、当時の社会を語る上で重要視されるべき「非人」の姿を収めた「年中行事絵巻」、庶民の信仰の実情をうかがい知ることができる「辟邪絵」、不思議な力について伝える「目無経」などを色鮮やかにデジタル再現。「策略家」とは思えない後白河の本当の姿、絵巻物が持っていた時代を動かす力について生き生きと語る。