日本の対中大戦略
発売日
2021年12月14日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-85092-4

日本の対中大戦略

著者 兼原信克著 《同志社大学特別客員教授》
主な著作 『歴史の教訓』(新潮新書)
税込価格 1,078円(本体価格980円)
内容 安倍内閣時に内閣官房副長官補・国家安全保障局次長を務めた実務のスペシャリストが、産業革命以来の国際史に照らし対中戦略を策定。



 いまや世界の「鬼」となってしまった中国。日中両国の道はどこで分かれたのだろうか。中国共産党に煽られてきた愛国主義の炎は、逆に共産党を追い立てる熱風となった。格差と汚職と少数民族弾圧は止まるところを知らない。今の中国を西側との協調路線に戻すことは容易ではなく、日本外交の英知が問われている。今日、アジアで先進工業国家として自由主義的秩序の創生に向けたリーダーシップを発揮できるのは、日本だけである。北東アジアで、米国が頼りにできる出城も日本だけだ。韓国は腰が定まらず、南半球の豪州は遠い。将来の超大国インドはまだ小さい。台湾有事をどう抑止するのか。尖閣をどう守るのか。それらは皆、日本の主権と安全に直接影響する。一番切羽詰まっているのは日本であり、日本自身の現実主義に立った戦略が求められている。共産党と人民解放軍の支配する中国と向き合う戦略的思考、歴史観の両者に根差した外交戦略、軍事戦略を構築する。