世にも不思議で美しい「相対性理論」入門
発売日
2023年04月04日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-90309-5

世にも不思議で美しい「相対性理論」入門

著者 佐藤 勝彦著 《日本学術振興会学術システム研究センター所長》
主な著作 「相対性理論」を楽しむ本』(PHP研究所)
税込価格 902円(本体価格820円)
内容 相対性理論は「時空の物理学」――2種類の相対性理論とは? 「重力波」「ブラックホール」「宇宙論」など最新テーマも交えて解説。



 相対性理論は「この世で最も美しい物理法則」である。どこが美しいのかというと、極めて単純で当たり前と思われる「原理」を立てて、あとはひたすら論理を究めていけば、あらゆる物理法則の根幹をなす理論が生まれてくる、というところだ。どんな原理を立てて、どのように論理を究めているのか、それらを本書の中で紹介する。

 
●第1章 相対性理論って、いったい何なの?
●第2章 時間の流れ方は人それぞれ
●第3章 物質と時間は不可分である
●第4章 重力の極限を探る
●第5章 宇宙は膨張していた
●第6章 重力波天文学が拓く未来
●第7章 タイムトラベルの可能性

 そうした相対性理論の美しさと魅力を、あらためて教えてくれたのが、2016年2月に発表された「重力波の直接検出の成功」という偉業だ。ブラックホール同士が衝突・合体した時などに生まれる“宇宙の地響き”である重力波の存在は、アインシュタインが自ら打ち立てた相対性理論に基づいて、1916年に予言したものだ。非常に微弱な波である重力波の存在は、宇宙を普通に観測していても、けっして予想できない。ただひたすら相対性理論に基づいて論理的に考察した結果、重力波というものが必ず存在するはずだから、それを探し出そうと多くの人が努力を積み重ねて、予言からピッタリ100年後に重力波の初観測が発表されたのだ。まさに理論物理学の一大勝利であり、この発見は天文学史に残る記念碑的業績といえるだろう。

 相対性理論は他にも、ブラックホールの存在や宇宙の膨張なども予言した。人間の直観が通用する日常的な世界から遠く離れた場所で、真理を探ろうとする時に欠かせないよりどころが相対性理論なのです。