スマホより読書
発売日
2023年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-90350-7

スマホより読書
本屋を守れ

著者 藤原 正彦著 《お茶の水女子大学名誉教授》
主な著作 『国家の品格』(新潮新書)
税込価格 814円(本体価格740円)
内容 日本の学力崩壊、教養の低下を止めるには「書店の再興」しかない。憂国の数学者による「読書」と「町の書店」擁護論がついに文庫化。



 インターネットで教養動画を何時間、視聴しても知識が身につかない。スマホで電子書籍を読んだが端から忘れてしまい、頭にまったく残らない。そんな経験をしたことはないだろうか。

 著者は、本で得られる教養とネット・スマホの情報のあいだには隔絶たる違いがある、と語る。人間の記憶の特性上、インターネットの画面をいくら見ても教養は身につかないのだ。

 また、流行のChatGPTには常識、道徳、価値観を嗅ぎ分ける力(著者いわく「校閲」)がなく、使用を誤れば社会に大混乱をもたらす、という。人工知能が危うい理由は「間違いだらけ、ウソだらけの無責任なインターネットを学習しているからです。大手出版社はどこもしっかりとした校閲部を有していて、書かれた文章の国語上の誤りばかりか、事実との相違を鵜の目鷹の目で探し、一次資料に基づき確認しています」(藤原氏)。

 「ChatGPTにはこの校閲機能がありません。書物の権威、すなわち人類の知の権威は校閲に支えられている、といっても過言ではありません。これを完全に欠いたChatGPTを野放しにしておくと、やがて人類は校閲なき世界、すなわち虚実混沌の巷に落ち込んでしまいます」(同)。憂国の数学者による「読書」と「町の書店」擁護論がついに文庫化。

 一、国語力なくして国力なし

 二、読解力急落、ただ一つの理由

 三、読書こそ国防である

 四、町の書店がなぜ大切か

 五、デジタル本は記憶に残らない

 六、本を読まないアメリカのビジネスマン

 七、日本は「異常な国」でよい

 八、国家を瓦解させる移民依存政策

 ※本書はPHP新書『本屋を守れ』を文庫化したものです。