プロ野球 遅咲きの人間学
発売日
2001年10月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57624-4

プロ野球 遅咲きの人間学

著者 近藤唯之著 《野球評論家》
主な著作 プロ野球 新・監督列伝』(PHP研究所)
税込価格 692円(本体価格629円)
内容 地道な努力を重ね、故障を克服し、移籍やコンバートの転機を活かし、ついに名プレーヤーとなった男たちの不屈の人生を感動的に描く。



 本塁打868本、三冠王2回、MVP9回。現役時代に、これだけの記録と栄誉に浴した王貞治は「実は遅咲きの男だった」といったらば、首を傾げる人が多いのではないだろうか。

 しかし、王は確かに「遅咲き」だったのである。甲子園優勝投手として入団、開幕一軍レギュラーでデビューするが、金田から三振を喫すると、その後26打席無安打。三年間で三振245個、本塁打は37本。王はクビ寸前まで追い込まれた。そこで出会ったのが荒川博。二人で一本足打法を完成させ、後は知っての通りの活躍だ。

 本書には王をはじめ、東尾修、鈴木孝政、江夏豊、駒田徳広、牧野茂、上田利治、根本陸男など、選手として、指揮官として球史に名を残した男達ばかりである。野球人として大輪の花を咲かせた男達だが、その人生を語る時、挫折を抜きには語れない者ばかりである。情熱を捨てることなく野球に人生を託した男の人生を感動的に描いた、読む野球の醍醐味がここにある。