闇のファイル
発売日
2014年02月20日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-81727-9

闇のファイル
戦火の陰に潜む人間像

著者 吉田一彦著 《神戸大学名誉教授》
主な著作 『暗号事典(共著)』(研究社)
税込価格 2,090円(本体価格1,900円)
内容 究極のスパイ、暗号解読、潜入工作……。1万冊以上の原書から情報収集してまとめた、第二次世界大戦史の知られざるエピソード集。



 戦争では人間の多様な側面が露呈する。賞賛すべき人間性の発露もあれば、醜悪な所業が平然と横行することもある。第二次大戦に従軍した哲学者のJ・グレン・グレイ氏には『戦士たち』(邦訳は『戦場の哲学者』PHP研究所)という、戦争に関して深い洞察をしている著書がある。その中で彼はこの人間行動の両極端を的確に見極めている。

 本書は月刊誌『歴史街道』に連載した記事に加筆したものが主体となっている。大戦の通史は他の研究に譲ることにして、印象的な個々の事件に光を当てて詳しく取り上げることにした。一冊の本に纏めるにあたって読み返してみると、戦場における人間に焦点を当てたものが多いことに気づかされた。取り扱った時代は第一次大戦から東西冷戦にまで及んでいるが、主たる戦場は第二次世界大戦である。

 日本を変えたあの戦争を、今、思い返してみるのも意味のないことではない。歴史は繰り返すのである。(「はじめに」より抜粋)