明治・大正を食べ歩く
発売日
2003年12月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-63292-6

カラー版
明治・大正を食べ歩く

著者 森まゆみ著 《作家》
主な著作 『東京遺産』(岩波新書)
税込価格 1,045円(本体価格950円)
内容 浅草、湯島、銀座、築地……。創業八十年から百年の老舗を訪ね、懐かしい東京の町と味を綴る。文人たちのエピソードも満載のカラー新書。



 明治の牛鍋、カツレツ、大正のオムライス、カフェー……。日本人が出会ってから百年。愛され続けた老舗の変わらぬ味と心意気。伝統を支える店主たちの話に耳を傾ければ、古き良き時代がよみがえる。

 本書は、浅草、神田、銀座、築地、深川界隈を歩き、明治・大正を感じさせるお店を訪ねたカラー新書。

 「魂の銭湯」と呼ばれた牛鍋屋。谷崎潤一郎も愛した鳥料理店。芸者さんや「銀ブラ」女性に人気の洋食屋。一高生、東大生が馴染みにしたおでん屋……。創業当時の主人の想い、開店の経緯など、できるだけ店の人の話を聞く。「一つの鳥鍋、一串のうなぎ、一枚のせいろで五十年百年続けることがどんなに大変か、ため息をついた」と著者は語る。数々の秘話、文人墨客たちが綴った美味礼讃は、もう一つの日本近代史といえよう。とはいえ、味が勝負である。店のたたずまいや従業員の対応など、三拍子そろった老舗を厳選して紹介する。

 懐かしい味と逸話に、至福のひとときを。