書籍

- 発売日
- 2004年10月01日
- 判 型
- 文庫判
- ISBN
- 978-4-569-66241-1
西行法師 北行抄
著者 | 長尾宇迦著 《鈴木門下会会員》 |
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主な著作 | 『幇間記』『籠の鳥』(以上文藝春秋) |
税込価格 | 607円(本体価格552円) |
内容 | 西行はなぜ出家したのか。奥州衣川への度重なる旅に秘められた思いとは――。老いた西行が愛弟子に胸奥の真実を語る異色の力作小説。 |
「おう、そうじゃ。吾らの枕元に置きし手控えをば寄こしてくれい」
「はい、はい。数々のお歌などを書き留められしご大切にござりますな……」
「おう、ここには、前後三度におよびし、奥州衣川に杖をひきし事の次第がこもっておるわ。さよう、これをひもときて、そちへの、耳の形見といたしたい」
――南河内弘川寺境内の草庵にて、愛弟子北弁にかしずかれて老衰の身を横たえる西行は、その入寂の近きを悟り、三度におよんだ奥州衣川への旅について、北弁を相手に静かに昔語りをはじめる。衣川への旅を続けながら、歌人は時代に何を見たのか? 数々の名歌に託されたメッセージとは? 旅の記憶、詠んだ歌への思いから、やがて若き日の恋や出家の真相など、「漂泊の歌人・西行」の内面が浮き彫りになっていく。
著者ならではの味わい深い描写で、老境の西行の心象風景を見事に再現した本作は、謎多き“歌聖”の真実に迫った意欲作である。
文庫書き下ろし。
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