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内容紹介
超ベストセラー『伝える力』の続編がついに登場! 前作のわかりやすさはそのままに、著者がテレビや報道の現場で学んできた「もっと伝わる」話し方、書き方、聞き方を伝授する。
「東日本大震災と伝える力」「総理の演説力」「怪しい敬語」「教科書がわかりにくい理由」、そして「池上さんの意外な過去」まで、ざまざまなトピックスを収録。
もちろん、具体的なノウハウも満載の一冊です。

定価:本体800円(税別)

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著者より(はじめに)
「直ちに健康に影響が出るわけではないので、落ち着いて行動してください……」
 2011年3月の東日本大震災以降、この表現がしばしば使われました。東京電力福島第一原子力発電所の事故に関しての記者会見で、すっかりおなじみになった言い方です。
 でも、「直ちに影響がない」ということは、いずれ影響が出てくることになるのでしょうか。なんだか曖昧で、聞いているほうが不安になります。情報や思いをきちんと伝えることの難しさを改めて痛感しました。「伝える力」が求められているのです。
 大震災では、「想定外」という言葉もしきりに登場しました。
「想定外の巨大地震」
「想定外の大津波」
 想定外と言って、責任逃れを図ろうとする意図が見えることもあり、言い逃れの印象が強い表現です。
 ところが、こちらはうれしい想定外でした。
 2007年5月に刊行された『伝える力』が4年半以上経った今も売れ続けているからです。著者の私にとっても、出版社にとっても、まさしく想定外の現象です。
『伝える力』は、多くの人が「伝える力を伸ばしたい」、あるいは「コミュニケーション能力を高めたい」と思っていたところに出たことにより、多くの人に受け入れられたのでしょう。
 想定外だったことは、売れ行きだけではありません。本を買ってくれた人、読んでくれた人たちの層がまた、想定外の広がりを見せました。
 本の発刊を企画する際は、多くの場合、読者層を“想定”します。この本は主に高校生から20代前半の学生をターゲットにしようとか、20代から40代の働く女性に読んでもらおうとか、定年を迎えようとしている50代後半から60歳前後のビジネスパーソンを主な読者層にしようとか。
『伝える力』の場合は、20代、30代を中心に、40代以下のビジネスパーソンを主な想定読者として企画されました。「PHPビジネス新書」シリーズから刊行されたのは、そうした理由があったのです。さらにいえば、「『話す』『書く』『聞く』能力が仕事を変える!」という副題を付けたのも、同様の理由によります。
 ところが、蓋を開けてみると、驚かされることに、なんと(と言ってよいでしょう)、小学生から90代の方まで手に取って、読んでくださっていたのです。返送されてきたアンケートはがきなどを見ると、実に幅広い層の人たちが読んでくださったことがわかりました。想定外のことでした。
 多くの方が手に取ってくださった『伝える力』では、私が日々考え、実践している「伝えるための方法やコミュニケーションについての考え方」を紹介しました。しかし、もちろんそれらのすべてではありません。書ききれなかったことも、たくさんあります。この『伝える力2』では、その書ききれなかったことを数多く盛り込みました。
 中には『伝える力』と重複する――この「重複」という漢字、あなたは今、なんと読みましたか? この問いかけの意味は第7章で説明します――内容もあるかもしれませんが、取り上げ方は異なります。
 東日本大震災以後、政府や専門家、マスコミの伝え方が問題になりました。見ていて、聞いていて、歯がゆいことが多々ありました。どうすれば、伝えたい相手に伝わるのか。そんなことを改めて考えながら、続編を書いたのです。
 今回は、広い層の方が手に取ってくださることを“想定”して、この本にはやや多めにルビ(振り仮名)を付けることにしました。
 本書があなたの「伝える力」をいくぶんでも高め、仕事に勉強に日々のコミュニケーションに役立てばうれしい限りです。

 2011年11月 池上 彰

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目次
はじめに

第1章 東日本大震災と「伝える力」
1.「ようめんに……」と言われても
2.“和文和訳”をして解説した
3.人はわからないと不安になる
4.自分がわからないことは相手もわからない
5.理科系の話を文科系に翻訳する人が必要
6.菅直人氏と枝野幸男氏の「伝える力」
7.相手に「話の地図」を渡すことが大切
8.東京電力と東京ガスの違い
9.イギリスのリスク・コミュニケーションに学ぶ
10.科学者と政府の見事なコミュニケーション
11.画期的だった天皇陛下の「エンペラーズ・スピーチ」
12.「どじょう発言」の伝える力
13.同じフレーズを繰り返した野田総理の所信表明演説
14.もう一つのアメリカ流

第2章 テレビの現場から私が学んだこと
――『週刊こどもニュース』『学べるニュース』で培った伝える力

15.ニュースの素人が作っていた『週刊こどもニュース』
16.「水道」と「海峡」はどう違うの?
17.「鎖国って、何ですか?」
18.受けた質問を仕事や勉強に活かす
19.部下や後輩の問いかけに耳を傾けてみる
20.相手の答えが間違っていても……
21.なぜ地デジに移行したか知っていますか
22.地デジを道路にたとえて説明した
23.ゲリラ豪雨は、どうしてゲリラ豪雨?
24.「押す」か「巻く」か、わかりますか
25.「その八百屋、わらって」と言われても……
26.業界用語は業界内だけで使うべし

第3章 世間にあふれる「わかりにくい表現」「伝わりにくい言葉」
27.歴史の教科書がおもしろくない理由
28.わかりやすい教科書では困る人がいる
29.筆者が答えに困る国語の試験問題
30.悪文を読解させるよりも……
31.TPPは海外の企業を「裨益」させる?
32.小泉純一郎氏と小泉進次郎氏の「伝える力」
33.鳩山元総理の「いのちを守りたい」は国民に伝わったか

第4章 もっとわかりやすく伝える方法1
――話をコンパクトにまとめる

34.「因数分解」を覚えていますか
35.伝えたいことを因数分解すると、わかりやすくなる
36.因数分解して相手に地図を渡す
37.カタカナ用語を考える
38.ツイッターの140字で「伝える力」を磨く
39.企画書はA4用紙一枚にまとめる

第5章 もっとわかりやすく伝える方法2
――話し方や話題を工夫する

40.スピーチをするときには……
41.具体的な話で聞き手の気持ちをつかもう
42.報告は簡潔に、一文を短く
43.わかりにくいニュースの原稿もある
44.英語の関係代名詞は日本語の話し言葉に似ている
45.「戦場カメラマン」渡部さんがゆっくり話す理由
46.相手と話すスピードを合わせる
47.視線を同じ高さにすると話しやすい
48.滝川クリステルさんに学ぶ座り方
49.苦情はアイディアの宝庫
50.社名や地名の由来で相手の心をつかむ
51.グルジアはジョージア!?
52.竜を退治したゲオロギウス
53.ジョージ・ブッシュもゲオロギウスだった?
54.興味を持つ→学ぶ→伝える“知の循環”

第6章 気になる言葉、気になる表現
55.敬語が苦手な若い人が増えた背景には
56.相手を思いやる気持ちがあることが大前提
57.尊敬語と謙譲語の区別はできていますか
58.「部長は出かけていらっしゃいます」はおかしい
59.「させていただく」も過ぎたるは及ばざるがごとし
60.「ご被害者のみなさまへ」はまさに慇懃無礼
61.「~~したいと思います」は自信のなさの表われ?
62.「応対品質を確保するため」とはどういうこと?
63.“ぼかし表現”が増えている
64.「こちらはコーヒーになります」は、まだコーヒーになっていない?
65.「頭痛が痛い」表現に注意しよう
66.そのツイッターの内容、街中で叫べますか
67.自分の個人情報にも留意する

第7章 日本語は乱れているのか
68.「ヤバイ」のはやばい?
69.気が置けない人は油断ができない?
70.漢字の「正しい読み方」と「間違った読み方」
71.『アナウンス読本』も変わっていく
72.麻生氏と菅氏、二人の総理大臣経験者の“誤読”
73.『徒然草』にも書かれていた“言葉の乱れ”
74.未来は「ゲンゴ道断」が正しい読み方に!?
75.豊かで美しい日本語で伝えるために

第8章 かつて私も「伝える力」に悩んでいた
76.引っ込み思案で、目立たなかった少年時代
77.警察担当の記者にはなったものの……
78.ガサ入れの瞬間をカメラに
79.「おばちゃん」気質に学ぼう
80.専門用語の使い方は苦い経験から学んだ
81.丸谷才一氏に学んだ「ね」

おわりに
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