緑の指
発売日
2002年04月05日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-62044-2

緑の指
ガーデニングの愉しみ

著者 曾野綾子著 《作家》
主な著作 『「いい人」をやめると楽になる』(祥伝社)
税込価格 836円(本体価格760円)
内容 三浦半島の西海岸の海辺で、畑を耕やす日々を始めた著者。自然と触れることを通して、人生という試練や生きる意味を問いかける。



 植物を育てる才能のことを、「緑の指(グリーン・フィンガーズ)」という。東京の喧騒から離れ、海と風の音に包まれて過ごす時間がほしいと、三浦半島の海辺に別荘を構えた著者。眼病で視力を失いかけたことを機に、その広大な土地に木を植え、花を育て、畑をする日々。日当たり悪く肥料もやらないような軒下に、艶やかな花を咲かせるジャーマン・アイリス。顔色で状態を表わす酔芙蓉。雄大な命と夢を伸ばす木、バオバブ……。

 ガーデニングブームにより、「植物とともに暮らす」ことを夢見て園芸を始める人も増え、植物との関わりも身近なものとなってきた。しかし、気温や天候の変化に左右される植物を立派に育てるためには、計り知れないほどの根気と体力が必要である。「植物との共存」は、非常に奥が深い。

 本書では、そんな植物の寛大さ、自由さ、命の仕組みに触れることで、人間の弱さや傲慢さ、生きることの意味を問いかける。