九鬼と天心
発売日
2008年09月12日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-70225-4

九鬼と天心
明治のドン・ジュアンたち

著者 北康利著 《作家》
主な著作 同行二人 松下幸之助と歩む旅』(PHP研究所)
税込価格 1,980円(本体価格1,800円)
内容 日本文化の救世主となった九鬼隆一と岡倉天心。明治の美の保護者たちの裏に隠された愛憎渦巻く修羅の世界と波瀾万丈の生涯を描く。



 明治初期、「廃仏毀釈運動」における日本文化財の破却の危機を救った二人の英雄がいた。九鬼隆一と岡倉天心である。

 二人は全国の主だった寺社仏閣を調査し、保護するべき文化財を実態把握した。その上で、文化財保護の基本法となる古社寺保存法を明治30年(1897年)に制定する。二人はまさに日本文化の荒廃をすんでのところで救ってくれた救世主であった。

 しかし、人間には光と影がある。二人には非常な能力とともに強烈な欲望をあわせもっていた。それは出世欲であり、独占欲であり、そして何より強い性欲であった。

 本書は、日本の美と文化を守った九鬼・岡倉コンビの活躍と、その裏に隠された愛憎渦巻く修羅の世界を描くものである。

 福沢諭吉、九鬼波津子、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、九鬼周造など、明治という激動の時代を生きた魅力ある人物たちが登場。道徳の教科書に載るような聖人君子伝では味わえない示唆を与えてくれる一冊。