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Winning Work
第34回山本七平賞の受賞作が決定しましたので、ここにお知らせいたします。

第34回「山本七平賞」受賞作
『論理的思考とは何か』(岩波新書)
副賞として300万円、記念品として腕時計、山本七平者「静かなる細き声」の特装本が贈呈されます。
Shichihei Yamamoto
1991(平成3)年12月10日に逝去された、山本七平氏の長年にわたる思索、著作、出版活動の成果は、日本の読書界に燦然たる輝きを持って聳え立っています。
今日「山本学」と称される、先生の多岐多彩な知的営為は、畢竟、日本及び日本人とは何か、を探し求める果てしない旅でもありました。
PHP研究所はここに、山本氏の業績を顕彰することを願い、山本七平賞を設置し、その比類なき知的遺産を正しく受け継ぐ新たなる思索家の誕生を期待するものであります。



山本七平氏の著作、評論活動は、一貫して、日本人とは何か、日本とは何かを追求したものでした。そして、自らの体験を通して、あるいは徹底的に文献を検証しつつ、日本人の行動様式や価値観、行動原理を明らかにしてきました。特に、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』の翻訳発刊にあたっては、真の著者探しとあいまって、ユダヤ人との比較によって浮き彫りにされた戦後の日本人の行動や発想の奇妙さは、読む人に改めて新鮮な驚きを与えました。
この他にも、日本人の物事の決め方を著した『「空気」の研究』や、自らの軍隊の体験から日本人の本質をえぐり出した『私の中の日本軍』、『一下級将校の見た帝国陸軍』。また、日本人の勤労観、仕事感をみごとに描ききった『勤勉の哲学』や『日本資本主義の精神』などをはじめ、指導者のあり方や、生き方の指針となる著書を数多く著しています。こうしたさまざまな著作と共に、山本氏は、戦後一世を風靡した進歩的文化人の欺瞞性に対する冷徹な批判の眼を持って、その言論を批判し続けてきた功績には大きなものがあります。

山本七平氏の業績は上記の通りです。山本氏は、1983(昭和58)年、PHP研究所の創設者・松下幸之助が座長となって創設した民間の独立した新政策提言機構「世界を考える京都座会」のコアメンバーとなりました。この「京都座会」(毎月1回開催)で山本氏は特に思想・文化面を中心に常に議論をリードしてきました。こうした「京都座会」での活動の功績と、これまでの山本氏の評論、著作活動を顕彰することを願い、平成4年に「山本七平賞」を創設し、優れた著作に賞を授与することとなりました。

Outline
Shichihei Yamamoto Prize
政治・経済・歴史・思想・宗教・比較文化……
新たなる思索家誕生の歴史をご紹介します。

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