Voice
発売日
2024年3月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2024年4月号

今月号の読みどころ

デジタル技術の進化は、まさしく諸刃の剣だと言えます。たしかに、私たちは国境を越えて世界中の人びととつながれるようになりました。他方で、ヘイトスピーチやフェイクニュースの氾濫で社会は混乱し、プラットフォームがポピュリズムを伸長させる土台になっているのも事実でしょう。グーグル、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフトに代表されるビックテックは、その規模や影響力はすでに国家を超えており、「帝国」とも称されます。5社の時価総額は日本の全上場企業の合計を上回るなど富が集中しており、資本主義や民主主義を捉え直す必要性も指摘されています。GAFAの戦略と脅威について論じた著書がベストセラーになったスコット・ギャロウェイ氏へのインタビューや、「テクノ封建制」について議論する大澤真幸氏と山口周氏の対談を掲載するなど、国家を凌駕しうるデジタル帝国を前に、私たちはいかに対峙するべきかを考えます。

特集2は「自民党政治の落とし穴」。いわゆる「裏金問題」への批判が収まらないいま、中北浩爾氏や野田佳彦元総理などが現在の自民党の問題点を論じます。

日本映画界の未来に危機感を抱く是枝裕和監督の巻頭インタビューや、デービッド・アトキンソン氏と広島県の湯崎英彦知事の特別対談なども掲載しています。
公式サイト

今月号の目次

特集1:デジタル帝国が変えた世界
ビッグテックの支配は終わらない
スコット・ギャロウェイ
36p
テクノ封建制を乗り越えよ
大澤真幸/山口 周
44p
プラットフォームとデジタル社会のゆくえ
宍戸常寿
54p
フェイクと陰謀論が民主主義を破壊する
福田 充
62p
総検索社会がつくる「新しい全体主義」
與那覇 潤
70p
BATHの現在地と中国ITの実力
山谷剛史
80p
デジタル農奴化する経常黒字国・日本
唐鎌大輔
88p
グローバリゼーションと封建制
國分功一郎
96p
特集2:自民党政治の落とし穴
自民党は「強み」を手放すのか
中北浩爾
134p
岸田首相に足りない「伝える力」
東 照二
142p
古代ギリシア哲学と現代政治との対話
納富信留
150p
派閥解消は裏金問題の矮小化
野田佳彦
158p
連載ほか
ガザの平和はいつ訪れるのか
山内昌之
106p
広島から考える「観光大国」の条件
デービッド・アトキンソン&湯崎英彦
124p
心理的安全性はメンタルの問題ではない
太田 肇&金間大介
166p
市民の声が伝える「中国経済危機」
リチャード・ヤーロー
204p
巻頭インタビュー
日本映画界の「十年先」を考える
是枝裕和
18p
「中国嫌い」のための中国史〈7〉
明朝
安田峰俊
184p
日本史は「敗者」に学べ〈3〉
西郷隆盛(後編)
呉座勇一
194p
【宗教と現代世界研究会】
「宗教復興」から現代世界を読み解く
小川 忠
222p
能登半島地震のボランティアを考える
宮本 匠
116p
誰もが「本屋」になれる時代
北田博充
214p
令和の事業家
女子高生の夢を叶える日本一の校長に
赤荻 瞳
232p
著者に聞く
不正への怒り、痛みへの共感
岡 真理
236p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
泉房穂という政治家
西田亮介
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
子ども中心の公共空間
藤村龍至
30p
地域から日本を動かす〈24〉
若者とともに諦めない
結城豊弘
32p
歴史家の書棚〈45〉
伊藤孝夫『佐々木惣一』
奈良岡聰智
240p
巻頭言〈3〉
アナポリスの桜
冨田浩司
15p
文明之虚説〈76〉
意識の無意識化
渡辺利夫
246p
邂逅する中世と現代〈6〉
手柄と裁判
作・文/野口哲哉
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈4〉
小さな森
写真・文/今森光彦
8p
令和の撫子〈59〉
五十嵐美樹 
撮影/吉田和本
11p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。