「自分がない症候群」の恐怖
発売日
2001年12月03日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57657-2

「自分がない症候群」の恐怖
不安な社会を生み出す日本人の“シゾフレ化”とは

著者 和田秀樹著 《精神科医》
主な著作 女性が元気になる心理学』(PHP研究所)
税込価格 649円(本体価格590円)
内容 “自分がない”症候群が、日本の若者を包みこんでいる――誰も気づかなかった若者像の変化に、いち早く警鐘を鳴らした名著。



 以前は稀であった、「異常な大ヒット現象」が、ここ数年はなぜ頻発するようになったのだろうか。皆が「浜崎あゆみ」、「千と千尋の神隠し」、「ハリー・ポッター」など、流行っているものに同調してゆく。皆、「自分がない症候群」だ。このようなことをきっかけに、著者は、日本人の(特に若い世代の)精神構造の変質を読み取り、これを、「日本人のシゾフレ化」と定義する。シゾフレとは、精神科的に言えば分裂病型のパーソナリティーのことである。そして、“周囲の人と同じような自分”を志向し、そうでないと不安で仕方がない人々が増殖すると、どのような社会が生み出されるかを解明しようとするのが、本書の趣旨だ。気鋭の精神科医である著者が、この視点からかいまみた社会とはいかなるものか。読むと未来が恐ろしげにも見えてくる力作評論である。